炊い処ぽんたんのブログ

大阪・肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

曲がり角の間借りビル②

【近況】

新店舗の内装工事が進んできました。4月16日以降には内見を受け付ける予定です。

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コロナ流行の影響で納期未定と言われていた給湯器や冷蔵庫も無事手配してもらい、4月中には稼働できる見通しとなりました。

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2階、3階はそれぞれ3坪少し、六畳間くらいのフリースペースになっています。リモートワーク等に自宅以外の作業部屋として使うこともできそうです。

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1階は着席で椅子8脚程度のカウンター席で、隅っこを使えば立ち飲みでさらに4席ほど増やせる広さ感です。

 

引き続き、間借りオーナー募集中です。

長期で利用を検討したい方がいればオープンまでの間に優先して受け付けますので気軽に相談してください。詳しく説明させていただきます。

 

住所→大阪府豊中市本町3-8-4

問合せ先

メール→to.honda.1981@gmail.com

電話→070-4328-9577 本田

 

3階建になっており、1階は飲食店/料理教室として、2階と3階は物販・教室・セミナーやワークショップ等に使えるフリースペースのイメージです。

1フロアだけでなく、追加客席として2フロア、または一棟全部利用も可能です。

 

お気軽に紹介、お声がけください。

噛めば春そこに

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【近況】

近ごろ野菜を扱う機会を意識して増やしています。ランチの副菜として、夜の先付メニューとして種類を増やしていく予定です。

あまり珍しいものはなく、かぼちゃ・小松菜・ブロッコリーなど身近な野菜ばかりですが、改めて向き合ってみると、今まであまり野菜そのものの味を気にせず味付けしていたことに気付きました。

 

これまでは、炒め物にせよ、おひたしにせよ、煮物にせよ、味が物足りなかったら調味料やだしをどんどん足して重ねていけばよいと考えていたのですが、最近は年齢的な好みの変化のせいなのか、あまり重なった味付けだとくどく感じることが増えたように思います。

 

より少ない味付けで、野菜自体の香りや歯ごたえだけでなく、苦みやえぐみもほどよく残し、食べたあとに口の中にちゃんと野菜の足あとが付くような仕上がりをイメージするようになりました。

以前このブログにも書いた、土井善晴さんの著書に目を通したことも大きく影響したように思います。

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さっき少ない味付けで、と書きましたが、薄味が良いという意味ではなく、塩分はそれなりにきかせる必要はあると思っています。

苦みやクセの強い野菜は口の中に匂いや味が残るのが気になるわけで、それらをうまい具合に唾液が洗い流してくれると、風味だけが舌の上に残ります。塩味はそのための大事な役割を果たすように思います。

曲がり角の間借りビル

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【近況】

新店舗(シェアキッチン・スペース)の間借りオーナー募集を始めます。

長期で利用を検討したい方がいればオープンまでの間に優先して受け付けますので気軽に相談してください。詳しく説明させていただきます。

 

住所→大阪府豊中市本町3-8-4

 

3階建になっており、1階は飲食店/料理教室として、2階と3階は物販・教室・セミナーやワークショップ等に使えるフリースペースのイメージです。

1フロアだけでなく、追加客席として2フロア、または一棟全部利用も可能です。

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現店舗の営業をしながらなのでかなりマイペースに準備していますが、工事は着々と進んでいます。

豊中駅から住宅地エリアにつながる通り沿いで、終日さまざまな年齢層の人が行き交っています。

 

また工事が進んだら写真等、お見せしていきたいと思います。

 

汗が滲んで春

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【なんでもない話】

気温や湿度が変わって、食生活に小さい変化が現れる季節の変わり目を毎年楽しみにしています。

このところ日中が暖かくなったので、今年最初のアイスコーヒーやざるそばをおいしく口にしました。春の始まりを前にこういう日が訪れるということは、引き換えに、芯から温まるために熱燗を飲む日や、鍋料理のおいしさを実感するような寒い日が減るということでもあります。それが惜しいようにも、喜ばしいようにも感じるのがこの時期の特徴です。

 

毎日をゆったり過ごすのと、せわしなく働いて過ごすのと、どちらが季節の変わり目をありがたく感じ取れるかというと、自分は後者だと思っています。頭も体もきちんと疲れているときほど、自然の小さな変化は体にながれこむように沁み渡ります。

次は、ジョッキまで冷えたビールを一気に飲みたくなるような蒸し暑い日に、夏の始まりを感じる瞬間が楽しみです。

 

【近況】

家族が自宅療養を指示されたため、先週末から全員自宅で隔離生活になっています。

当事者も一時的な発熱があった以外は幸い大きく体調を崩すこともなかったのですが、自宅待機の面倒くささは話に聞いていた以上です。元気をもてあましている子どもの相手と大人がそれぞれ手を付けたい仕事や作業の兼ね合いに日々苦戦しています。

 

検査が必要となると、地域のクリニックで診察時間外に対応してもらうことになります。これまでは、そんな医療関係者の苦労を思えばたいていの我慢もできようと言う気持ちもあったのですが、家から自由に出られない・働けない不便さは当事者になってみて初めて思い知るもので、なかなか単純に消化できる感情ではないと思いました。

 

あと食べることが楽しみの自分としては、毎日の活動量が少ないためにお腹が空かないことをいちばん辛く感じています。ほどよい空腹感でご飯が食べられることは幸せなことだと改めて実感している毎日です。

借りた手の返し合い

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【近況】

新たに物件を借り、レンタルスペース付きのシェアキッチンを始めることになりました。阪急豊中駅の近くです。

昨年末から計画に入り現在工事中で、肥後橋の店ではランチ営業をしながら諸々の準備を少しずつ始めています。

 

コロナ禍を迎えたときにこのブログに書いたことでもありますが、独立を意識して経験を積んできた人が今の状況を理由に開業をあきらめてしまうのはもったいないと感じていたのが、今回始めたいと思ったきっかけです。

こんな状況ではありますが、「あたらしく何か始めたい人」の手助けができたらと思っています。

 

シェアキッチンを始めますといいましたが、実は自分もシェアキッチン何ぞをあまり深く理解しているわけではなくて、何となく思い描いたイメージにいちばん近い現実の業態が「シェアキッチン」だったというのが正しいかも知れません。

シェアキッチンとは要するに、ひとつの飲食店を複数のオーナーで間借りして、日替わり曜日替わりなどで色んな店が出店するようなイメージでしょうか。

別にそこまでにぎやかでなくても、ひとりの店主に月単位で使ってもらうとか、1日だけスポットでプライベートキッチン的に使ってもらうとか、店舗利用に限らず料理教室やイベントに使ってもらってもいいと考えています。

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たまたま今回は小ぢんまりとした3階建ての物件だったので、残りふた部屋は貸しスペースとしても使ってもらおうと思っています。そこまで広くないので個別教室や物販、ワークショップ、自習室としても使えそうかなと考えています。

 

詳しい内容は決まっていき次第各所で告知していきますが、興味のある方は気軽にご連絡いただけたらと思います。

 

癖がつなげる縁

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【近況】

日替わりの炊き込みごはんを小さいお弁当にした「土鍋ごはん弁当」を始めて2週間ほど経ちました。いろんな食材の組み合わせを試す日々です。

 

じつは炊き込みごはん、また煮物などは、旨みの出る食材を足すことが簡単なので、よほどでも無い限りおいしく仕上がります。

そういった「旨みを重ねるおいしさ」とはべつに、目指したいのは「素材ぜんぶの味が十分に出ているおいしさ」だったりします。後者は食べた時の清々しさのようなものが違います。

 

旨みの足し算に頼ることなく、素材がもつ癖の強さを生かし、最小限の味付けと相性をみこんだ素材の組み合わせで、歯ごたえや香りが生きるような仕上がりというのがその理想ですが、やはり経験を積まないとそんなレシピが思いつくのは容易ではないようで、試行錯誤の日々です。

 

これまでいろいろ調べて試した炊き込みごはんのレシピだと「ちりめんじゃことにんにく」というものが抜群で、じゃことにんにくの香ばしさ+塩気でお米の甘さが引き立つ(=炊き込みごはんにする意味がある)という、これ以上ない組み合わせの一つだと思いました。

 

【キッチンの内情】

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年末年始に、山梨の義実家で食べたお雑煮に使われていた味噌がおいしく、尋ねてみると忍野村で作られた味噌ということで、店でも使おうと送ってもらいました。

山梨はうどん・ほうとう文化で、味付けに味噌を使うことが多いようです。長時間火にかけることが多いからか、煮込んだあとにしっかり旨みが残るほんのり甘い味噌です。

http://www.hakkaisoba.com/order.html

 

かくいう自分は、子どもの頃から家で味噌汁を飲む習慣がないまま育ちました。味噌汁を飲むとそのぶんお腹が膨れてしまい、おかずとご飯をお腹いっぱい食べたい気持ちに水が差されるように感じていたのだと思います。

そういう点では40歳をこえても味噌汁になじみが薄く、「理想の味噌汁」をまだまだ模索する毎日です。

ラフ目に案じて

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【近況】

時短営業中なので、すこしだけ早起きしてランチの開店時間を30分早めています。ちらほらこの時間に固定で来てくれる方も増えました。

ランチといえばこの半年くらいでずいぶん魚が高くなってしまいました。バリエーションの一つとして日替わりの焼き魚定食をラインナップしていて、毎日のように価格を見てきましたが特に今は高いです。同じものでも大体さらに2割ほど上がっています。

 

焼き魚を注文される人はほぼ固定的で、安定して人気なのはやはりサバだと感じます。毎回かならず売り切れるのはサワラで、ほどよく上品なイメージが人気なのかもしれません。他によく使うのはアジ、ほっけ、スズキ、サケ、などがあります。

魚メニューを敬遠されがちな理由が「骨」の存在で、サワラが人気というのも小骨がほとんどないというのもあるかもしれません。

 

さきほど魚が高くなったとぼやきましたが、イワシの価格はほとんど変わっていません。

イワシは傷みやすいので、間違いなく良い鮮度で店頭に並んでいることが多くていつもうまそうだなと眺めています。それでもランチに入れるのは難しいだろうなと遠ざけてしまうのですが、その理由が小骨の多さです。

脂の乗ったピチピチのイワシをこんがり焼くとさぞかしおいしいだろうとは思うのですが、骨を気にしながら食べるお客さんを想像するとなかなか一歩踏み出せないところです。

 

【おすすめレシピ本】

くらしのための料理学/土井善晴

 

まだ読んでいる途中ですが、料理研究家土井善晴さんの一冊です。レシピ本ではありません。

SNSやテレビで発言を見かけるたびにその温かい言葉の数々に癒やされていましたが、本は今まで手にとったことがありません。にこやかなイメージから勝手に、なんとなくふんわりとした耳障りのいいことだけが書かれているのかなと偏見を持っていたからです。

そんな風に思っていたら、先日ぐうぜん見かけたこの本の引用で「そもそも料理とは、消化の外部化です」という一節が目に入り、がぜん内容が気になってきて手に取ることにしたのでした。実際に目を通してみて、今まで自分の中で混沌としていたものがすっきり整理されたように感じる一冊でした。

 

家族で食べる毎日の料理はそもそもどういうものだったのか、現代はなぜ料理するという行為が面倒で大変な印象のものになっていったのか等、料理と食事を取り巻く歴史からわかりやすく説明してくれます。

 

最近は家で料理することを、・大変だから手を抜いたっていい・時短でおいしいレシピ・外食や宅配や家政婦さんでかしこく解決、といった言説が目につくようになりました。

以前からこれらは、家庭における毎日の料理づくりで苦労する人を応援しているようで、実は遠回しに負い目をもたせているのではないかという気がしていました。負い目を感じているかぎり、常になにか新しいモノやサービスにお金を出しつづける側にいなければなりません。

 

この本を読めば、そういった負い目が意識から取り除けるようになると思います。料理がうまくなる本ではなくて、生活に欠かせない食事を自分のペースで作り食べることができるようになる本だという気がします。