ぽんたん通信ウェブ版@肥後橋 炊い処ぽんたん

肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

スパイシーな雨の日

【近況】

雨の多い1週間でした。ランチも夜も、如実に客足が遠のきます。いつもは数組断ってしまうような慌ただしいランチタイムも雨の日は静かです。

湿気のこもる雨の日は、湿気に乗って匂いの成分も鼻に届きやすいように思います。雨の日の満員電車が不快に感じるのも、湿度にくわえて多くの人々がまとう匂いが押し寄せてくるからでしょう。

そんな日には、食事もやや尖った香りを生かした料理を楽しみたいものです。スパイス、香草を効かせたカレーなどのエスニック系は、じめっとした日の気分を香りの面で清めてくれると思います。

というわけで、当店でもランチタイムにカレーを検討しています。夜の時間帯にはすでに提供しているのですが、スパイスで数日マリネした豚挽き肉とトマト、その他野菜とホールスパイスをふんだんに使ったカレーです。ランチ用に食器を買い足すほど利益に余裕が見込めたら、の話ですが。


【記憶に残ったお店の味 その2】

私は2005年に大阪で外食業界に就職し、2009年に東京へ転勤、2018年に関西へ戻り、当店を開きました。

就職した当初は本当に忙しく、週に1日あるかないかの休日はいかに心身を休めるかに苦心したものでした。

そんな中、休日の1番の楽しみでもあり、癒しにもなったのは何といっても食事であり、それらは具体的に焼肉、ホルモン焼きでした。休みの日は、店から朝方いつものように帰ってきては夜まで眠りこけ、のそのそと起き上がっては焼肉を食べに出かけたものでした。

千日前通商店街におおきな看板をかかげる「アジヨシ」、当時の梅田東通りに1店舗めができたばかりの「龍の巣」、東心斎橋の小学校裏に七輪が煙を上げる「味希」。今の自分がどれほど高価でおいしい焼肉を食べに行ったとしても、当時元気に飢えていた自分がこれらの店で味わった感動を焼肉に感じることはないでしょう。

鶏、豚よりもずっと長い時間と大量の餌を食べてじっくり育つ牛。まさに英気を養うための食事でした。

かように、大阪時代には焼肉やホルモン焼き、牛すじ煮込みなどの牛肉食の素晴らしさを骨の髄まで楽しみました。そんな自分が、東京に転勤して残念だったのは、おいしいホルモン焼きや牛すじが手軽に食べられないことでした。

東京のホルモンはいわゆるもつ焼きであり、豚ホルモンが名物です。それはそれで独特の風味が酒場らしい雰囲気とあいまって素晴らしい味わいなのですが、やはりここぞというときには牛の力を借りたい。しかし、東京ではそれなりにお高い店に行かないと(そこらへんで出くわす店に何となく入ってしまうと)大阪で当たり前に食べられた味と出会えず辛い思いをしたものでした。多くの飲食店がひしめく東京ではかつてないハズレを引くことも多く、大阪にいる頃よりも店を探す嗅覚を鍛えられたように思います。食べログのようなサイトが多くの人に必要とされたのも、道理だったように思います。


※当店に関するあらゆる疑問質問、料理作りのお困り事等、店頭でもウェブからでもお気軽にお問い合わせください!可能な限りお答えいたします。