炊い処ぽんたんのブログ

大阪・肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

「上手さ」の勉強

【近況】

いよいよ忘年会を予約くださる問い合わせが増えてきました。

自分は飲食業にしか携わったことがありませんから、書き入れ時の12月は忘年会に参加した経験はほとんどありません。そのため、利用者の視点に立ってものを考えるのはなかなか苦戦します。


幹事の方とやりとりさせていただいていると、勉強になる場面がたくさんあって、たとえば人数が多い宴会だと、予算の希望や料理内容の調整など、いろんな要求を出される場面があります。


そんなとき、事前に来店して相談くださったり、密な連絡をとってくださる方だと、こちらもその要求を前向きにとらえやすく良いアイデアにつながります。こういうときのアイデアは、店側視点の都合と、利用者視点のニーズのすり合わせに大きくつながるので大変ありがたいものです。

また、一度しっかりやり取りをした方だとこちらもずっと覚えていますから、次回以降の予約時にはお好きなメニューを切らさないよう準備しておくなどと、スムーズな対応をさせてもらえます。こういった形の付き合い方をなさってもらえるのは本当にありがたいものです。



料理を作る側としては、年末に向けコース内容を一新しました。

なるべく「できたて感」を活かせるものというのがテーマです。


というのも、あるていど人数が多い宴会があるときは、料理は完成のなるべく一歩手前まで作り置きしてスムーズに出せるように準備するのですが、この際「できたて感」がいくぶん犠牲になっているような気がずっとしていました。

もちろん料理を待たせてしまっては元も子もないので、作業と割り切って機械的に作ったものを運び続けるということもできなくはないのですが、そう感じてしまうとなんともつまらない。


なので今回の年末コースには、大人数でもなるべくできたて感を活かせるようなメニューを選びました。


くらべても味はおなじ、または見分けがつかない程度かもしれないのですが、作り置きから完成させるより、注文を受けてから完成させたときのほうが生き生きとした素材感、ダイナミクスのようなものが生まれおいしそうに見えることが多いようです。

まだ2年目の年末ですが、今年も沢山勉強させてもらおうと思います。


【ぽんたんのレシピ紹介 その4】

先だって取り方を紹介した「だし」を使って炊き込みごはんを炊く基本の合わせだしを説明します。


・だし 400cc

・酒 40cc

・塩 4g(小さじ1と1/3)

・薄口醤油 10cc(小さじ2)

・みりん 8cc(小さじ1と2/3)


以上が基本の割合です。お米2合から2.5合分になります。量り分けるのがめんどうなら薄口とみりんは同じ割合でもいいと思います。


研いだお米に好みの具を入れ、炊飯器のラインまで合わせだしを入れて炊き上げれば完成です。


しっかり取っただしで作るので、鶏とごぼう、きのことベーコン、たこと刻みしょうがなど、相性がよいとされる2種類の組み合わせだけで十分おいしい炊き込みご飯ができると思います。

仕上げに、香りの立つ薬味類を散らすとさらにおいしく感じます。刻んだ大葉(シソ)、もみ海苔・青海苔、木の芽(山椒の葉)、黒こしょう、ネギ、すり下ろした柚子の皮など。


具の選びかたのコツの1つに、脂肪分が少ない淡白な素材を使うときは油のコクをうまく足すというものがあります。

きのこやタケノコ、貝類がメインなら、こまかく刻んだ油揚げを加える。サツマイモや里芋などは一度油で揚げる、もしくは炒めてから炊き込む。ほかには、炊き上がりにバターを乗せて混ぜ込むというのもあります。


当店では、きのこが中心の炊き込みごはんのときは材料のきのこ半分を最初から炊き込み、バターで炒めたもう半分を仕上げに加えるという手順をとりました。

きのこの味がごはんに良く染み、またきのこの香ばしさも味わえる仕上がりになります。



※調理工程や、使う調味料について等、詳しく知りたい方は遠慮なくお店でもネット上でも質問ください!可能なかぎりお答えします