炊い処ぽんたんのブログ

大阪・肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

ピントと距離感

【近況】

この1週間は、比較的おちついていた平日を使って新メニューを考え、商品写真の撮影をしていました。

いま店を手伝ってくれている相棒は写真撮影やメニュー・ポスターのデザインができるので、事あるごとに撮影やデザインを依頼しています。

自分自身も、いっとき社内の商品撮影を担当していた時期もあったため、何となくカメラが使えるようになりました。おかげでニュアンスのすり合わせがやりやすいので撮影は毎回スムーズです。

 

前職で自分が商品撮影を担当していたのは、撮影にかかる時間と費用を圧縮するという目的で、撮影業務を社内で内製化することになったのがきっかけでした。

多少カメラに興味はあったとはいえ、素人の自分が撮ったような写真で、正式な店のポスターやメニューブックが作られていたりしましたから、特に初めの頃はブレたり焦点がずれていたり暗かったりする写真ばかりで、思い返すと恥ずかしいことのほうが多いです。

 

それでも時間をかけて多少はマシになっていったのは、それが趣味ではなく業務になっていたからかもしれません。

 

自分の撮った写真が強制的に人目にさらされて評価される状態におかれるというのは、私自身の感覚だと趣味の延長ではなかなかできることではありません。

 

カメラを触るのがいくら楽しいといっても、ほかの仕事で忙しかったり、気分が乗らないときがあったりと「今日はやりたくない」と思う日も当然あります。それでも期限通りに必要なものを撮影して社内のデザイナーに提出する。デザイナーからダメ出しをもらって撮り直す。撮影にかぎりませんが、「身に付く」というのは、こういった繰り返しが積み重ねられる環境のおかげだと今となっては思います。

 

何かを新たに身につけられるほどの経験が、これからどれくらいできるかわかりませんが、少しでも興味が湧いたものには時間をかけて取り組んでいきたいと思います。

 

 

おすすめレシピ本 その3】

「辻調直伝 家庭の和食/畑耕一郎」講談社

 

家庭の、と記されていますが、時短や手抜きでもおいしい料理ができるというレシピがもてはやされる昨今の風潮からみると、やや手応えの強いレシピ本かもしれません。すこし昔の本になります。

 

でも、もしかすると、その風潮のせいで、多くの人々は自分が料理下手だ、手作りの料理はとにかく手間だと思わされているだけではないかと思うことが多々あります。

一度、すこし手応えのある昔のレシピ集に挑戦してみることは収穫も多いと思います。

プロが実践するような、古くから研究されてきた調理の工夫や食材の相性のノウハウを、家庭でも活用できるように記されていますので、生きた料理の味を知ることができます。一つ一つのレシピに込められた工夫が身につけば、その場しのぎではない、身のある時短術につながると思います。

 

また、巷にあふれる家庭向けのレシピと加工食品の中から、自分たち家族と相性の良いものを見つけることは大変です。その手助けにもなると思います。

テレビ、雑誌、ネット記事は、いろんな風潮をつくっては日々私たちの欲や焦りや負い目を刺激してきます。よくよく考えて買うものを決めたいと思う今日この頃です。

 

 

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