のどかな2月と一年の計
【近況】
寒くなり始めたここ3か月ほどの間では、一番ランチが賑わった週でした。春以降の人事異動がきっかけとなるのか、上司部下であったりお仕事仲間でランチを囲んでいるお客さんの姿が多く見られました。
当店のランチは定食スタイルが4種類とカレーライスから選べます。ご飯は白いご飯でおかわり自由、土鍋で炊いています。
オープン当初から、使用するお米は奈良県の中部よりにある高市郡高取町という地域にあるお米屋さんに注文しています。オープン前に何度か足を運びましたが、緑と山に囲まれたのどかな場所です。さらに南へ向かうと桜や杉で有名な吉野がすぐ近くです。
初めて伺ったときに、少量のサンプルをもらって炊き比べをしました。甘みのあるおいしいお米でした。比べてみて初めて、何気なく食べていたこれまでのお米との違いがわかりました。
まず、糠くさい匂いがありません。玄米から白米に精米するときの削りカスが糠(ぬか)ですが、自宅の米には独特のこの匂いが米に染み付いていました。
そして、米粒が割れたりせず揃っています。炊きあがったご飯を口にしたときに噛みごたえの違いとして現れます。割れたお米が多いと部分的に団子状になってしまうことがあります。喉ごしの良さにも関わっていそうです。
さらに、米粒に透明感があります。透明感のない白い米粒は、精米時に熱がかかりすぎて乾燥していることがおおく、甘みが抜けてしまっているそうです。
保管状態と精米機の違いがポイントだったようです。特に精米機の違いは大きいらしく、セルフ精米機コーナーで使われる機械は、素人でも扱いやすくて仕上がりが早くて壊れにくいものですが、その分お米に加わる熱や力が強いため食味で犠牲になる部分が多く、プロ仕様の精米機は操作性がデリケートな分、食味の良さも保つことができるのが特徴ということでした。
玄米で購入している人のために精米だけをお米屋さんが請け負ってくれることもあるようなので、金額と手間に納得できればプロの精米機で違いを味わう値打ちはあるように思います。
さらに聞くところによると、大昔に使われていたタイプの精米機も、米粒への負担が少ないのでおいしく精米ができるそうです。ただ、現代の機械よりずっと何倍も時間がかかるので今は誰も使わないとのことでした。こだわると行き着くところは手作業での精米になってしまうのかもしれません。
こういったお米に関する知識は、自分自身オープン当初に見知ったきりで、深めることができていません。今年はもっとお米の知識について知っていこうと思います。
【ぽんたんのレシピ紹介 その7】
当店で提供している「塩豚とポテトサラダ」というメニューです。
「塩豚」は、豚バラ肉を塊で塩漬けにしたもので、スライスベーコンのように薄く切ってフライパンでカリカリに焼いて、ポテトサラダにのせています。
ポテトサラダには、玉ねぎと裏ごししたニンニクが入っており、これが塩豚とも相性がよく、じゃがいものおいしさがよくわかるレシピになっています。
塩豚の分量
・豚バラ肉 塊で
・塩 肉の重量の3%
・グラニュー糖 肉の重量の1.5%
・香辛料 肉全体に好みの量で
※当店は黒こしょうのみ、他のスパイスやにんにく、タイムやセージなど豚肉に合うハーブも良い
※塩とグラニュー糖だけで仕込むと和洋問わず応用できる
①豚バラ肉に、塩とグラニュー糖、香辛料を混ぜたものを擦り込むようにまぶし付ける
②肉から出る水分が落ちるように、油切りバットや網にのせてラップをかけ冷蔵庫に1日寝かせる
③肉の表面の水分をよく拭き取り、ラップに包んでさらに2、3日寝かせると塩気がなじんで完成
ポテトサラダの分量
・じゃがいも 2玉
・たまねぎ 1/4個
・にんにく 3片
・マヨネーズ 大さじ2(30グラム)
・塩 小さじ1
①分量外の塩水(濃度は3%)を作り、スライスしたたまねぎを浸す
②にんにくは皮ごと鍋の水に入れて火にかけ、沸騰したら湯を捨ててまた茹でる→3回繰り返し、皮をむいて裏ごしに通す(包丁でたたいてペースト状にしてもよい)
③じゃがいもは芽があれば取り除き、適当な大きさに切って水から茹でるか蒸し器で蒸す。串が通る程度の柔らかさまで火を通す
④③のじゃがいもを熱いうちに皮をむき、ボウルに移してポテトマッシャー等で好みの粗さにつぶす
⑤じゃがいもが人肌程度に冷めてから、塩、マヨネーズ、にんにく、水気を絞ったたまねぎスライスを加えてよく混ぜる
にんにくはこのように何度も水を変えて茹でると匂いが控えめになるので、ほんのりにんにくの香りをつけたいときに重宝します。
じゃがいもは、熱いうちにつぶしたほうがさらっの上品な舌触りになります。冷めてからつぶすと粘りが出て舌触りがねっとりした仕上がりになります。
塩豚は1週間くらいは冷蔵庫に入れておけば使えますし、冷凍しておけば1ヶ月くらいは保存できます。
ベーコンの代わりにパスタやサラダに使ったり、ポトフやおでんの具として使うこともできます。柔らかくなるまで煮込むとしっかり旨みが出てきます。
※当店に関するあらゆる疑問質問、料理作りのお困り事等、店頭でもウェブからでもお気軽にお問い合わせください!可能な限りお答えいたします。