炊い処ぽんたんのブログ

大阪・肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

長い1日短い1年

【近況】

今週15日〜18日はオープン2周年記念ということで、ささやかながら全ドリンクメニューの割引や特別メニューを入れたり、記念グッズの販売なども行う予定です。

去年は第二子が産まれる直前で、店を手伝う妻がいったん離れるということもあってバタバタしたまま何も周年イベントができなかったことを反省し、今年はちょくちょく発信させてもらっています。

 

 

蒸し暑い日が続くとはいえ、店内の換気もある程度行うため窓を開けています。そのためエアコンをつけていてもなかなか効きが悪くスッキリしません。せめてBGMをラテンぽい感じにしています。郷土料理はその地域で食べるほうがおいしく感じるように、暑い地域の音楽は暑い季節のほうがマッチすると勝手に思っています。

 

蒸し暑いといえば、新しく「たこと夏野菜の土鍋ごはん」をメニューに入れました。

たこを乗せて出汁をきかせた土鍋ごはんに、オクラやスナップえんどう、みょうが、大葉など、夏においしい野菜を混ぜ込んで食べてもらいます。

蒸し暑い時期にぴったりの、あっさりとしたごはんにできあがっていますので、ぜひ試してもらいたいと思います。

 

7月から9月というのは、お米にとってはもうすぐ一年を迎える時期で、ずいぶん新米のころとは味わいが違います。

獲れたて時期のお米は確かに、甘みが強くてもっちりした歯応えがあり、ほんのりとまだ田んぼの匂いとでもいうような、爽やかな香りがあっておいしいものです。

比べて、今くらいの時期のお米はさらっとした口当たりで甘みが控えめ、噛みごたえも少しさっくりした印象です。

新米の魅力はいうまでもありませんが、この時期のお米は一年を経て乾燥が進んだことで出汁を吸いやすくなっているぶん、実は炊き込みごはんには向いているのかもしれません。

 

【記憶に残ったお店の味】

ずいぶん前ですが、日光へ旅行に行ったときに訪問した「山のレストラン」というレストランのことをたまに思い出します。

駅前でレンタカーを借りて、高原の方へ上っていく途中の、周辺に何もない道の途中にあるレストランでした。

古びた洋館風というか、スキー場のホテルのような雰囲気です。

入るまではわかりませんでしたが、自分たちのいる山と向き合うように大きくひろがる山々と、そこに落ちる霧降の滝が眺望できるかたちで建っているレストランなのでした。

 

運良くテラスに案内してもらえたので、席からは遠くに広がる山景色と滝が一望です。紅葉が始まりだした木々の合間に落ちる滝が霧に煙るさまは、何時間でも眺めていたくなるような絶景でした。

 

景色だけでなく、料理も印象に残っています。地元の肉や野菜、きのこをふんだんに使った洋食で、メニューだけ見ると強気な観光地価格なのかと思いましたが、注文してみるとまったくそんなことはありませんでした。現地ならではの素材が丁寧な一品に仕上げられていて、時間を忘れるくらいの景色が楽しめることをおり込むと十分お値打ちな食事でした。

当日調べてたどり着いた場所だったので、こんなに素晴らしい経験ができるとは知らずゆっくり過ごす時間も取れずに大変悔しい思いをした記憶があります。次に日光へ行く機会があれば、滞在できるぎりぎり長い時間過ごそうと思います。