めくれてもただ正直に
【近況】
1月初め10日くらいはまだ、夜の飲み利用も1日1組程度はちらほら見えましたが、この2週間ほどは週に1組ほどになっています。あとのお客さんはテイクアウトか定食でのご利用ですが、これもわずかなものになってきました。
時短要請が始まってすぐのころは、貼り紙や口頭で伝えてあっても、酒の提供が19時までとは思ってなかったと言う人がいたり、わかっていても言うだけ言ってみるといったようすで閉店間際に追加注文できないか窺ってくる人がいたりもするものです。
まだ酒のつまみが残っているのを目にしたり、話が盛り上がっているところを見るとこちらも心苦しいですが、もちろん断るほかありません。そうするといくら丁寧に伝えたところで微妙な空気になりますし、2度目の来店はないだろうなと感じてしまいます。
元々のなじみのお客さんは大体仕事が遅めでそもそも19時に間に合う方は少ないですし、駆け込みで酒にありつこうという新規のお客さんを無理に入れると変な気苦労があるので、あと1か月どうしたものかと考える日々です。よくよく地に足をつけて店のあり方を考えたい今日この頃です。
【食のニュースを読んで】
食品のみにかかわる話ではありませんが、消費者庁HPに景品表示法の法的措置の公表が出ていました。
https://www.caa.go.jp/notice/assets/information_other_210129_0001.pdf
こういったものを見るたびに、結構知名度のある会社もときには法的措置を受けているんだなあと思ったりするものです。
景品表示法というのは、商品を売る時により良く見せようとするがあまり、買う側の勘違いを誘うような大げさな売り文句をつけて売ることを規制するものです。
この資料を見てみると、飛び抜けて高額な課徴金納付命令を出されている事業者があります。こちらは赤ちゃん用「抱っこひも」の性能をかなり優れたもののように表示し販売していたようで、一般的な抱っこひもの体への負担が100%としたら、この製品の負担は14%だと表示したことが問題だったようです。
普段赤ちゃんを抱っこしている人にとってはさすがに眉唾ものの数字にも見えますが、抱っこが原因で深刻な腰痛に悩まされている人ならすがりたい思いでしょうし、そんな人が自分の親しい間柄にいたなら多少高価でもこれを贈ってあげたくなるかもしれません。そこに目をつけた売り込みだと考えるとなかなかたちが悪いように思います。
通販でおなじみジャパネットたかたも命令を受けていて、こちらは「通常価格」より○円値引き!とアピールしているのにじつは「通常価格」で売ったことが直近「ほとんどなかった」というものです。
実際にその価格で売ったことのない価格を「通常価格」と表示してもよいことになると、より高い金額を通常価格に設定することであたかも大幅に値引きしているように見えるので規制されているわけです。しょっちゅう「閉店セール!」をやっててなかなか閉店しない店なんかも本来NGなのかもしれません。
こうやって取締りが行われていることを知ると頼もしくもあるのですが、広告や表示というのは世に出るまでに公的なチェックを経るわけではないので、消費者から指摘されなければわりと野放し状態です。かといって、なんの売り込みもしないありのままの広告、パッケージというのは現実的ではありませんし、見極めは難しいところです。
自分としては、人の不安や負い目・自尊心などを露骨に煽ってきたり刺激してくるような、またはやさしさ・穏やかさを必要以上に強調してくるような言い回しがなされているものには、なるべく近づかないようにしています。