炊い処ぽんたんのブログ

大阪・肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

米はあんたに味方する

【近況】

この一年くらいのテイクアウトメニューに「土鍋ごはん」を入れてはいたのですが、どこかやはり炊き立てのおいしさを味わってもらえていないことに引っ掛かりがありました。

そこで今年は、家庭の炊飯器でも炊ける炊き込みご飯の素が、店でも作れないかと試行錯誤しています。

 

今週ようやく第一弾として「鯛めしの素」が、販売できるところまでたどり着きました。

 

鯛めしは以前から店でも出していて、土鍋ごはんの中でも評判は高いほうの一品です。骨から取るだしの味がよいという他にない特徴があって、骨から出るコラーゲンの影響なのか米粒がなめらかな舌触りになるのも魅力です。

 

さらに真昆布と削り節の合わせだしを加えますので、旨みは濃いですが脂っ気はないのであっさりと食べられる仕上がりです。

 

これを機会に市販の炊き込みご飯の素も少しずつ味見していますが、さすがどの製品もリーズナブルで確実においしいものばかりでした。

市販品にくらべると味の均一性や安定感には欠けますが、季節ごとその時々の味だと思って楽しんでもらえたらと思っています。

 

【最寄りのグルメ】

マクドナルドが最近、自分の中ではすっかりジャンクフードの印象がありません。

 

高校生〜大学生のころあたりは、マクドナルドといえばジャンクフードの代表のような位置付けでした。

お金のない下宿生だった知人は、一時安売りされていたハンバーガー(たしか59円)で毎日のように空腹を満たしていたせいで痩せ型だった体がみるみる太ってしまって驚いた記憶があります。

 

その頃と比べて今はハンバーガーやポテトの栄養価が良くなったかというと、そういうわけでもないようです。

脂肪、炭水化物、塩分がそれなりに含まれていることにはそう変わりません。チーズやベーコンが多めに挟まれたハンバーガーは1個食べるだけで成人1食分の塩分指標を超えます。ビタミン・ミネラルも十分とはいえません。

 

それでも何故かマクドナルドは今やジャンクフードではないように感じています。あくまで体感ですが、スーパーやコンビニ・外食を通して、便利な場所で安価に手に入って空腹が満たせる食べ物が昔よりジャンク度を増してきているように思います。

 

「特盛」「濃厚」「ギガ」「極辛」のような弁当・カップ麺・スナック菓子が、お小遣いさえあれば小中学生の手にもかんたんに届くような金額です。カロリー、味の濃さでみればファストフードに行くよりはるかに安くお腹を満たせます。

当店のランチ750〜950は、このあたりでは真ん中よりやや高い部類に入りますから、お腹を満たしたいだけなら何も…となってもおかしくありません。ビールが高いという理由で安価なストロングゼロ系の高アルコール飲料が流行しているのも似たような現象でしょうか。

 

そんな安いわりにお腹にたまりそうな味の濃い面々に共通しているのは、徹底してタンパク質(主に肉)をケチっている点です。

その点マクドナルドは、大満足とまではいかずとも期待外れとはならない程度に、ちゃんと肉が挟まったハンバーガーが食べられます。

昔はなんてペラペラな肉なんだと思っていましたが、今やあのクオリティが身近で手軽なことが貴重に思えるほどです。

 

最近「メロンパン」を強めに売り出しているコンビニチェーンがあります。

大手のコンビニチェーンでさえ、あんな炭水化物と油脂の権化のような菓子パンで目先の利益を潤さないといけないほどに、今のコロナ禍の傷は深いのかと危機感を覚えずにはいられないこの頃です。