止めるな危険
【近況】
この夏からは極力、冷凍庫に頼らない営業ができないかを最近考えています。冷凍食品を多用していたということではありません。
作り置きしたもの、作り過ぎたもの、使い切れなかったものを何でもかんでも冷凍してしまうのはやめようといった話です。特に肉や魚の「なまもの」はなるべく冷凍しないで使い切ることにするつもりです。
開店以来、むしろ自分が飲食の世界に身を置いて以来、厨房で悩ましいことのひとつに「冷凍庫がすぐ一杯になる」があります。
これまでも、後で使える、捨てるともったいない、と冷凍庫に放り込んで結局大掃除で処分される食材がいくつもありました。業務用冷凍庫は冷やす力も強いので、劣化をそれなりに止めることができます。しかし、その力は放り込んだ本人の思考も止めてしまうようです。
捨てるくらいならおいしいうちに持って帰るなりまかないで食べてしまうなりしておけばよかったと、後悔は止まりません。
もし冷凍庫が小さいものしかないなら、ないなりに工夫もするのに、大きければ大きいだけギリギリまで使いたくなるものです。今後は、湿気を避けたい乾物類や、小分けした食材・保存食品を入れるにとどめてみます。そういう縛りを与えることで、今後のメニュー作りに良い影響が出せる予感がしています。
【キッチンの内情】
大阪府の飲食店は21日から条件付きで、酒類提供ができるようになりました。この1か月ほどランチが忙しいので、夜の営業は遅れて23日ごろから再開する予定です。
この2日ほど仕入れに向かうと、いろんな店で並ぶ食材が充実しはじめているのを実感します。正直なところ初めは、大阪府の定める条件というものの内容があまりにも形だけの決め事(忠実に守ると、店内が貼り紙とパーテーションだらけになってしまいます)が多いことに違和感があり、営業再開に向かう気持ちが今ひとつ盛り上がっていませんでした。
しかし以前より活気を取り戻しつつ見える市場の様子に触れていると、売りたいのに売れないと言い訳していることが恥ずかしくもあり、また並んでいる季節の食材をもっと使いたいという気持ちも高まります。
人数も時間も制約が多く、様子をみながらということに変わりはありませんが、まずは久しぶりに夜の看板を出してみたいと思います。