指先辿った果てに
【近況】
主にチェーン系飲食店での注文や支払いの無人化が進んでいます。この流れの先に、それらに携わってきた人たちの仕事がより人間らしい仕事になっていくことを期待しています。
まず、安さや便利さを求める食事を提供する仕事は徹底して無人化されることを望みます。
かわりに、食べる楽しみや過ごす時間に価値を求める食事を提供する仕事は、もっと深く幅広く人が携わっていくことで魅力を磨き、働く人は今よりも健康で安定した労働と生活を送れる仕事になってほしいと望んでいます。飲食業に携わるということはそういうことだ、という世の中になればいいと思っています。
安さや便利さだけで選ぶ食事も必要で、楽しみとしての食事も必要です。これまで外食に携わってきた生身の人間として、後者をもっと盛り上げることに力を注ぐ者でありたいと思います。
無人化といえば牛丼チェーン松屋の、新しいタッチパネル券売機がわかりづらいという話題がありました。
実際自分でも利用してみましたが、これは高価格メニューやサイドメニューの表示回数を増やして、売り上げや客単価を上げるための誘導を強める作り込みにしたゆえの分かりづらさだと思います。
古のファストフードでおなじみの「ご一緒に〇〇もいかがですか?」を画面で連発されているようなもので、単品だけの注文はなるべくさせまいという思いを感じました。おそらく先行でいくつか試してみて最も成果を上げた操作画面を全店導入したのでしょう。
こういうことを頑張るのは未来ある無人化の進め方とは思えませんが、過渡期を経て数年後に飲食店のあり方がどう変わるのかが楽しみな今日この頃です。