代えがたくそびえる山
【近況】
年末は29日に営業を終え、大晦日から三が日を山梨県富士吉田市にある義実家で過ごしました。
はじめて訪問したのはもう10年近く前になりますが、今でも圧倒されるのは富士山の存在感です。今年は三が日ともに快晴で、堂々としたその姿を目に焼き付けることができました。
この地域の何が印象的かというと、人々の生活圏にすっかり溶け込んでいる富士山の姿です。近隣の民家と民家のすき間、店がたちならぶ商店街の向こう側、あらゆる空間に富士山が見切れるように入ってきます。
広告ポスターやカレンダーなどの写真で見る富士山はその美麗さや荘厳さが印象的ですが、実際に生活圏の空に写り込む巨大な山体は慣れない自分からするとときどき異様さを感じることがあります。地震や噴火が隣り合わせにあることを生々しく感じる時もありますし、空を眺める視界を山が占めていることに圧迫感を感じる時もあります。
「富士山は立派だな」と思う気持ちの一方で、それだけでは片付けきれない落ち着かなさを毎回感じるのですが、その刺激は妙に心地良く、来るたびに富士山を見る楽しみの一つです。
そんな諸々を感じながら過ごす時間は、日常でぼんやり曇った感覚を洗ってくれる時間でした。引き続きややこしい一年になりそうですが、腰を据えて取り組む覚悟ができたように思います。