炊い処ぽんたんのブログ

大阪・肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

冬が来る前に

【近況】

当店は基本、店主1人体制のところにオープン当初からの助っ人が空き時間を作って手伝ってくれています。先週は2人体制の日が週の半分あったので、新しいチラシや海外客向けメニューを作る相談をしていました。ポスターやチラシのデザインもこなせる助っ人です。

 

このチラシというものもなかなか試行錯誤を求められる存在です。

写真や文章にこだわって作り込みすぎても、面白みに欠けて見えることもありますし、紙質が粗くて内容が素っ気ないチープなチラシでも、逆に興味を惹きつける場合もあります。

オープンして1年くらいは、なんせ自信がありませんからチラシにせよ何にせよ「なるべく飾り付ける」ことを意識していましたが、自分たちにできないこと、身の程を過ぎたことはいくら飾ってもお客様に見抜かれてしまうようです。今年はもっとすっきりと当店の良さを伝えるチラシにしようと思います。

 

【ぽんたんのキッチン紹介 その2】

当店では土鍋ごはんを名物に掲げていますから、炊き込みに使うダシに関しては昆布や削り節をいくつか試して現在のものにたどりついた経緯があります。

昆布にも、利尻・日高・羅臼などの産地の違いがあり、さらにほとんど明記されることはありませんが昆布の養殖方法による味の良し悪しもあります。

くらべてみると、独特の香りがある、色が濃い、コクが強い、味が出るのが早いなど個性があって面白いものでした。現在採用しているのは函館で取れる真昆布で、低温で時間をかけないと旨みが引き出しにくいのですが、すっきり澄んだ旨みと上品な香りが他にはない昆布です。さまざまな炊き込みごはんの具材を活かすと思ってこれに決めた記憶があります。

 

家庭ではめんつゆや濃縮ダシを使ってももちろん簡単に炊き込みごはんが作れますが、あえて具材と「塩」だけで炊くというのも、お米のおいしさが味わえるかもしれません。

洗ったお米と具材を炊飯器に入れ、分量の水に1%の塩を入れます。お米2合であれば、水分量は360ccなので塩3.6g(小さじにすりきり1杯+2つまみほど)。具材から出る味とお米の甘みを、わずかな塩味が引き立てます。普段の炊き込みごはんに飽きたら試してみてください。

ちなみに、巷に出回る「化学調味料無添加」をかかげた濃縮ダシや粉末ダシには、ほとんどの場合「化学調味料」に「精製」される前の段階のエキスや分解物が「調味料」という名目で、使用されています。

これらは食品表示の法令上で「添加物」に分類されないことになっています。そこを利用して「無添加」を謳っているわけです。

旨みを強化するという役割は似たり寄ったりですから、それらを使って「自然な味を味わった気分」になるよりは、添加物のあるなしにこだわらず自分や家族の口に合ったものを選ぶほうが豊かな食事になると思います。

 

※当店に関するあらゆる疑問質問、料理作りのお困り事等、店頭でもウェブからでもお気軽にお問い合わせください!可能な限りお答えいたします。