いつも空きっ腹
【近況】
2店舗目としていわゆる2号店ではなくなぜレンタル用途の店舗を作ろうと思ったかという理由の一つに、「いろんな人のいろんな記憶が残っている場所」みたいなのが地元にあったら何となくいいなと思ったというのがあります。
自分の場合、いくら家の近所にある場所でも、行く理由ときっかけがないために何年経とうと全く行ったことが無い場所が多々あります。
店舗の場合、ひとたび営業が始まったら同じ場所に同じ店がずっとあるのが普通で、できた当初に「あ、自分はここに行く用事はないかな」と感じたら大体そのまま行くことはありません。「タイミング合えば行ってみたいな」と思う場合もありますが、近所にあればいつでも行けるだろうと思うがために、きっかけが無ければなかなか足が向かないということもあります。
シェアキッチンや、レンタルスペースという形を取ることで、「同じ場所に同じ店がずっとあるわけではない」という状態になると、そこを通る誰しもが何となく気になる場所になります。
今は用事がなくともそのうち興味のある店が入ったり、レンタルスペースで気になる催事や教室が入ったりと、年月を経て、近所で暮らす老若男女がいちどは足を踏み入れたことがある場所になっているかもしれません。
それの何がいいの?と言われると説明が難しいところです。
長引くコロナ禍の間、自分の店も含めいろんな場所に人がいないということが、やむを得ないことと自分に言い聞かせながらも、馬鹿らしさや無念さも同時に感じていました。そのことは根底にあるような気がします。
多寡を問わず人が集まって、場所に活気がもたらされることは、生活にかけがえのない現象だとこれからも信じて過ごしたいと思います。