本気の片手間
【近況】
豊中Pont 3-8-4に定期で入られる間借りオーナーさんが増えてきたので、先日皆で集まって懇親会を開くことができました。
それぞれ本業や家庭のある人たち同士なのでなかなか難しいかと思ったのですが、同じ日に予定を空けてもらえることになり、食事やお酒など持ち寄っての楽しい会合となりました。
このスペースは定期でレンタルする側にとってなるべく融通が利くようにと考えて対応しています。急なキャンセルや時間変更など、一般的には負担が大きくなりがちなところをなるべく抑えるようにしています。
その代わりというわけではありませんが、利用開始するまでの流れはわりと面倒です。
事前の打ち合わせで営業内容や計画の詳しい確認、衛生管理の話から継続のために営業許可を各自で取得してもらう話など、それでももちろん実際の独立出店よりははるかに楽だと思いますが、こういうやり取りが面倒なのか、問い合わせをもらっても最初のやり取りで以降連絡が途絶える人がほとんどです。
そのため稼働率はまだまだ低めですが、このやり取りを経てのち無事オープンされたオーナーさん方には愛着をもって使ってもらえていると感じます。
間借りで何かを始めるという方がどれほどこの先続くのかは正直わかりませんが、今あるご縁に報いることから将来の選択肢も現れてくると感じているので、まずは各オーナーさんの取り組みをしっかりフォローしていきたいと思います。
現在地いま明らかに
【近況】
久しぶりにマスクをはずして接客に出ているわけですが、自分がこれまでどんな表情で接客していたのか忘れてしまいました。
マスクの下もしっかり3年ぶん老けたのかと思うと、このまま人前に出て大丈夫だろうかと心配になっています。別にマスクしてなければ、老けざまなんて何年経とうが気にもならなかったはずですから不思議です。
肥後橋周辺はビジネス街ということもあってか、マスクを外して来店する人はほとんど見かけません。蒸し暑い季節になるとさすがに皆さん外されるのかもしれませんが、未だにマスクが外れない人通りをみていると、気楽に飲み会を楽しんでもらえそうな空気はまだしばらく遠いようです。今後も当面は安定的なランチ中心の営業に頼ることになりそうです。
コロナ禍が始まってから去年終わりごろまでは、この肥後橋の店は夜の時間を楽しむ飲み屋として何が何でも生き残ってやるという強い気持ちもありましたが、このところはそんな感覚も自然と抜けつつあります。
自分の意地に沿って、どんな状況においても心底からやりたいこと、やれそうなことをやろうと考えに考えて手をつけ、気がつけば3年近く過ぎ、ふと立ち止まってみれば、もう大方手を尽くしたのかなという感覚です。
やりたいようにやったつもりの結果としては寂しいところも多々ありますが、この先しばらくは周りから当店に期待されている役割をまず中心に考えて、それにコツコツと応えていくような形でやっていきたいと思います。
6坪に腰をすえて
【近況】
シェアキッチンの店舗を出そうと決めたとき、始めてもたったの一件さえも利用者が来ないかもしれないとか、利用してもらえたとしても数回程度ですぐに辞められてしまうかもしれないと、何度となく頭を巡ったものでした。
これまでシェアキッチンという業態に関わったこともなく、一般の飲食店より実例も少ないうえにその市場についてどう調べていいかもわかりません。ただ感覚的に、物件の近くで時間を過ごしていると利用者のイメージが浮かんではくるのです。
独立を目指す人、主婦業の傍らお店をやってみたい人、フリーランスの人、学生さん、そういう方は必ずこの辺りにはいて、間借りに興味ある人はいるはずだと思いました。しかしそれを裏付けるような客観的な根拠は見つけられません。
ダメだった時はその時で、何か別のことを始めればいいと覚悟が決まったからこの店舗を始めたのですが、幸いなことにこの10ヶ月ほどでたくさんの問い合わせをもらいましたし、縁があって始めてくれたオーナーさんの多くは、今後も続けての出店を考えてくれています。
このところは店を始めるお手伝いに奔走してきましたが、次は店を続けてもらうお手伝いが必要です。続けていくうえでの課題が見え始めるころというのは、オープンしたころ興奮していた自分との温度差にとまどいも生まれがちです。
自分の経験が全てのオーナーさんに通じるとはもちろん限りませんが、できる限りは自分ごとのように考えて相談を受けたいと思いますし、その結果がどうあれオーナー自身が納得のいく判断をとれるようなコミュニケーションを心がけたいと思っています。
本性を費やして
【近況】
「色気を感じる店」に憧れますし、そうありたいと思います。
この感じはなんとも筆舌にしがたく、ただそういう店に当たると、この店のことをもっと知りたいともぞもぞとした気持ちが湧いてきます。
コンセプトがとにかく尖って個性が強い店だからといって、色気を感じるとは限りません。
逆に、パッと見でインパクトを感じない店や、チェーン店だからといって、色気を感じないとも限りません。
メニューラインナップや内装や接客などに、他では味わえないバランスの良さやスリルがあるといったところかもしれません。
そこは意図的な演出であってもそうでなくても、過剰に意識している感が透けてしまうと冷めてしまう気がします。
その印象を構成するのは、店主の人となりや信念だったり、時代の流行との相性だったり、立地(周辺顧客)との相性も関係あるように思います。小手先の部分だけコピーしても同じ色気は出せないものと思われます。
ここまでの自分を振り返ってみると、その辺どっちつかずのまま闇雲にやってきてしまったという反省が強くあります。5年近く経ってもまだ模索の入り口です。
舞台は曲がり角
【近況】
曜日が変われば日本茶が飲める日もコーヒーが飲める日もあり、マッサージも受けられる日もあるというのが今の豊中Pont 3-8-4の間借り状況です。
自宅の近くにあれば出店のたび通いたいくらいなのですが、あいにくこの店舗までは片道90分近くかかります。
そもそも近所ではないからこそシェアキッチンを作ったという経緯を考えると、気軽に立ち寄れないのは必然の結果というのも不思議な感じがします。
普通に自分が1人で回す店であったなら出会うはずもなかった出店者さん方にいま出会えていることも、実に不思議な感覚です。
今週もお試し利用でキッチンを使ってもらいヒアリングをさせてもらう日がありました。
スリランカカレーの店をやりたいというその方は、かつてボランティア活動で住んでいたスリランカにその後も何年とつづくご縁があり、現地で知り合った若い教え子の日本での生活をサポートしておられるという方でした。
この方に限らず各オーナーさんの話をよくよく聞いていくと、当たり前のことですが本当に皆さんそれぞれにいろんな背景をもっていらっしゃいます。そのいろんな姿勢に触れることは、飲食業という一つの世界にこだわっていた見方や考え方に新しいヒントが加わります。
今年が一体どういう一年になるのか、消えない不安ももちろんありながら、楽しみが増えてよかったという気持ちで過ごしている今日この頃です。
お節介の真髄
【近況】
間借り出店のお手伝いをしている中で微力ながらいろいろアドバイスさせてもらう場面がしばしばあります。
これは相手にアドバイスしているようで実は自分に言い聞かせているようなことが多く、お付き合いがふえていくたびに自分の店の見え方も変わってきていて不思議な感覚です。
自分は元来シンプルにやるべきことを整理できるタイプでは無く、つねに頭の中はこだわりややりたい事でごちゃごちゃしており、判断は先延ばししてでも腰を据えて考えたがるという性格です。
そんな状態で、他人の間借り出店にあれが優先だとかこれをやると早いとか、誰が言うてんねんと毎回自分に思いながら、でもそのおかげで少し頭を整理できるきっかけを得られたりするので助かっています。
この2月、店の来客自体はとてもヒマだったので間借りオーナーさんとのコミュニケーションに多少時間が割けたので、いろいろ厳しくはありますがよい1か月でした。
3月からの客足が心配ではありますが、バランスよく両方を立てていけるようでありたいと考えています。
挽かれて開かれて
【近況】
https://instagram.com/furari_coffee?igshid=YmMyMTA2M2Y=
豊中Pont 3-8-4 にてコーヒースタンドの間借りが始まりました。
今回までの各オーナーさんの中でも最年少で、副業どころか大学院に通いながらの出店です。
このオーナーは大学時代にコーヒーを好きになって同好会を立ち上げ、数十人の規模になった今では後輩に受け継がれているそうです。
初日のオープンからお手伝いさせて貰いましたが実直な落ち着いた仕事ぶりで、お客さん側にもくつろぎやすい空気感が漂っていたように思いました。
コーヒー豆は4種類からえらべ、浅煎り中心の繊細な風味の違いを飲み比べられるラインナップでした。その都度豆を挽いて淹れるので、店内にいい香りが終始ただよいます。
オーナーは30歳までに専門店に就職して修行するか独立にチャレンジするかを考えていたそうなので、当スペースでの出店を次にむけた良いきっかけにしてもらえればこちらも始めた甲斐があります。
自分自身独立するまでは、新しいことへチャレンジするのはすべてリスク覚悟の「攻め」の姿勢のように感じていたのですが、この数年の慌ただしく不安定な世情に触れてきてみると、実はチャレンジするほうがリスクを下げる「守り」の姿勢になりうるのではないかと感じることが増えています。
自分の人生これ一本という潔い生き方を個々人が楽しく全うできれば言うことはないのでしょうが、かぎられた時間を工夫して2つ3つの顔をもっておくというのは、楽しく生き延びる方法の一つではと感じる今日このごろです。