炊い処ぽんたんのブログ

大阪・肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

湯気のため息

【近況】

今年もおでんが人気の季節が始まりました。当店のおでんは練り物は使わず、手羽先や牛すじやつくねなどの肉中心のおでんです。

肉が入ることでボリューム感もさながら、肉の味を吸った大根や厚揚げやこんにゃく、玉子がいい具合です。さらにはじゃがいもや豆腐などの味を吸う具材も入れたいのですが、鍋の大きさに入りきらないので今後様子をみながら具材は変わっていく予定です。

 

今回採用には至っていませんが、試しに作ってみた「白味噌おでん」はなかなかおいしくできました。

作り方は普通のおでんと途中までは同じで、最後におでんだしで溶いた白味噌を入れて温めるというだけです。白味噌はおでんに欠かせない辛子との相性もよいですし、里芋や海老芋のような今の時期おいしいイモ類を入れると格段に合います。上品な甘みとコクが加わりますので、煮込む時間があまりない日でも味のよいおでんが仕上がります。

 

自分がおでんを作るときは昔から牛すじを必ず入れています。実家のおでんの味がそうだったというのもあります。

最近はスーパー等でも、串にささったタイプの牛すじが手に入って便利ではあるのですが、なるべくなら精肉コーナーやお肉屋さんで売っている生の牛すじを下処理して使うと旨みが全然違います。

 

すじ肉を入れた鍋に水を入れて沸騰させ、お湯を捨てすじ肉を水洗いして汚れを落とします(汚れはおもに血や余分な肉汁が熱で固まったものです)。

同じことを2回ほど繰り返して今度はたっぷりの水にすじ肉を入れ、2、3時間ほどコトコト煮込んだら初めはカチカチだったすじ肉も柔らかくなります。

このとき煮込んだ残りのお湯を濾しておでんのだしに加えてもいいですし、柔らかくなったあとの牛すじからも十分味が出ます。

 

食べ終わって残ったおでんだしは、ベタですがルーを入れてカレーにするのがちょうどいいように思います。そのまま使うと塩分が強いので適当な味に水で薄めるのがいいと思います。

 

【記憶に残った店の味】

昔、仕事の関係でかつての同僚がコーヒー豆を色々試しているのを横で見ていたことがあり、そこから自分でコーヒーをドリップすることに興味をもつようになりました。今もなお、自宅では見よう見まねでペーパードリップのコーヒーをいれています。

それまで興味がなかったのが、いざ調べてみると自家焙煎のコーヒー専門店というのは実にたくさんあるもので、一時期は休みのたびに回っては豆を買って試していました。

 

なかでも好みの味に出会えたなと思って、今もなお取り寄せている店があります。

 

珈琲焙煎SAKAMOTO/東京・調布

http://coffee-sakamoto.jp/

 

東京で最後に住んでいたのが府中で、おなじ京王線沿線のつつじヶ丘駅というところにあるということで見つけたのがきっかけでした。

使い込まれた調度品に囲まれたまさに純喫茶といった店内で、これまたまさに喫茶店のマスターといった感じのオーナーが1人でやっておられます。

 

オーナーが毎回おすすめしてくれるのがマンデリンで、深煎りです。えぐみがなく、苦みと甘みが心地よく味わえます。安いコーヒーにありがちな角ばった口当たりがなく、苦みが強いのに喉越しはスムーズで、さいごに口や鼻に残る香りも含めて飲んでいて気持ちいいコーヒーです。

 

量販店のコーヒーに比べれば値は張りますが(100グラム700円程)、それでも外でドリップコーヒーを買うよりは安くつきます。そのさらに倍くらいするコーヒー豆もいくつか経験しましたが、それらに比べてもお値打ちだと感じています。

 

遠方へも郵送で送ってくれますし、500グラムまでなら送料無料です。ホームページにメール注文のフォームもありますが、できれば電話からの注文がいいようです。