勝てるは辛抱
【近況】
コロナ前後でまったく姿を見なくなったのが、コンサートや観劇帰りのお客さんです。
歩いて数分のところにフェスティバルホールというコンサートホールがあり、去年の今頃までは毎日のように著名なアーティストのライブや演劇が開催されていました。そのため、月に2、3組ほどではありますが、観劇帰りのお客さんがたまたま当店を見つけて来てくれるという流れがありました。
そういった方たちの多くは楽しんだ余韻を持ってお越しになります。そのためか、終始なごやかで好意的に接してくださる人が多く、実際その後も当店に通ってくれるようになった方も少なくありません。
自分も一時期ライブによく通っていたことがあったので実感があるのですが、生のパフォーマンスを観た後の高揚感というのは独特で、その日からの気分を前向きにしてくれる他とないものの一つだと思います。観劇帰りのお客さんに来てもらえると、間接的にでもその日の一部として関われたことが嬉しく感じられます。
ライブや演劇も、夜の飲食とおなじく不要不急と位置づけられてしまった界隈ですが、これから大人になる世代が自分たちと変わらず同じような楽しみと出会えるように、知恵を絞って乗り越えたいと感じる今日このごろです。
【ぽんたんのレシピ紹介】
春の出会いのものはいくつもありますが、タイミングを逃すとまさに一瞬しか楽しめないものがたくさんあるように思います。
中でも、「ふき」と「なまり節」を使った煮物は春ならではの味わいが楽しめる一品です。
ふきの皮をむくのは手間がかかるため水煮にしたものも売っていますが、透き通ったさわやかな風味が楽しめるのはやはり生なので、ちょっと頑張って一度だけでも試してほしいと思います。
※なまり節・・かつおを釜茹でして火を通し、切り身にしたもの
・ふき 1束
・なまり節 1パック(2〜300g程度)
・しょうが 薄切りにして5〜7枚ほど
・木の芽 好みで
・だし汁 300cc
・薄口醤油 30cc
・みりん 10cc
・砂糖 大さじ1
ふきの下準備
①ふきはまな板に乗る長さに切り、塩をまぶしてまな板でころがす
→皮をむきやすくするため、表面をかるく傷つけるイメージ
②鍋に湯をわかし、ふきを入れる。つまんだ時にしんなり曲がるくらいになったらザルに上げて水にさらす
③ふきの両端から繊維にそって、爪で皮をむきとる。一口サイズに切っておく
なまり節の下準備
④皮をはがし、骨が残っていたら取る。血合いが気になる場合は包丁で削ぎ取っておく
⑤食べやすいサイズに切り、湯通しして臭みを取っておく(匂いが気にならない場合は省略)
仕上げ
⑥鍋にだし汁以下の調味料、薄切りのしょうがを入れて火にかける。沸騰したらなまり節を入れて中火にし、落し蓋をして5分ほど煮る
⑦ふきを入れてさらに煮る。ふきもなまり節も火が通っているので、好みの濃さに煮上げればよい
⑧器に盛り付けて木の芽をのせる