夜もいつしか炊けて
【近況】
夜の営業を再開するにあたり、夜定食を出すことにしました。白ごはんか炊き込みごはんかを選ぶことができ、土鍋で炊き立てを用意します。
注文ごとに人数分を土鍋で30分ほどかけてご飯を炊くので、どれくらい支持してもらえるかは正直わかりませんが始めています。
コロナ禍を迎えてから、夜も定食を食べたいと声がかかることが増えたのと、今後は緊急事態が明けても飲み会の売り上げに頼るのが難しい状況になると見込んでの考えです。
定食といえば、来客を見込んでご飯を炊いて保温しておくのが基本です。しかし、夜はランチタイムに比べて人が次々やってくるようなことはないので常に炊きたてとはいかない心配がありました。
土鍋で炊くご飯を売りにする以上はと思い悩んだ末にいっそのことその都度かならず炊きたてのご飯を出すことにしようと決めた次第です。
サクッと食べて帰りたい人には申し訳ないのですが、気の長いお客さんが付くのを待ってがんばりたいと思います。
【記憶に残った店の味】
10歳ごろまで、父に連れられて弟と3人でよく京都競馬場に行きました。
競馬場そのものも大変広いのですが、敷地内にかなり大きめの広場があって、父が馬券を買ったあとにそこでおもちゃのボールとバットでキャッチボールやノックをして帰るというのがいつもの流れでした。
場内を移動しているときに父が買う「お好み焼き」がおいしかったことが今も記憶に残っています。
そのころ家で出されていたお好み焼きは、生地がどっしり、モソモソしてあまり好きではありませんでした。
京都競馬場の売店で買うお好み焼きは生地がとても柔らかく、家で食べるものとは中まで火の通った卵焼きとスクランブルエッグくらいの違いがありました。
とろっとした舌触りにソースとマヨネーズがとけ合う感じが新鮮で、だんだんそれを食べるのが楽しみになっていった覚えがあります。
それから何度も自分でお好み焼きを作る機会はありましたが、同じ具合に焼けたことはありません。山芋を沢山入れたり、だしを利かせたり、水加減を変えたり、どれも違いました。
今は混ぜて焼くだけのお好み焼きセットや、キャベツと卵以外の材料がパックになったもの、冷凍お好み焼き等がスーパーで買えてどれもおいしくいただいてますが、時々あの柔らかいお好み焼きを懐かしく思い返しています。