癖がつなげる縁
【近況】
日替わりの炊き込みごはんを小さいお弁当にした「土鍋ごはん弁当」を始めて2週間ほど経ちました。いろんな食材の組み合わせを試す日々です。
じつは炊き込みごはん、また煮物などは、旨みの出る食材を足すことが簡単なので、よほどでも無い限りおいしく仕上がります。
そういった「旨みを重ねるおいしさ」とはべつに、目指したいのは「素材ぜんぶの味が十分に出ているおいしさ」だったりします。後者は食べた時の清々しさのようなものが違います。
旨みの足し算に頼ることなく、素材がもつ癖の強さを生かし、最小限の味付けと相性をみこんだ素材の組み合わせで、歯ごたえや香りが生きるような仕上がりというのがその理想ですが、やはり経験を積まないとそんなレシピが思いつくのは容易ではないようで、試行錯誤の日々です。
これまでいろいろ調べて試した炊き込みごはんのレシピだと「ちりめんじゃことにんにく」というものが抜群で、じゃことにんにくの香ばしさ+塩気でお米の甘さが引き立つ(=炊き込みごはんにする意味がある)という、これ以上ない組み合わせの一つだと思いました。
【キッチンの内情】
年末年始に、山梨の義実家で食べたお雑煮に使われていた味噌がおいしく、尋ねてみると忍野村で作られた味噌ということで、店でも使おうと送ってもらいました。
山梨はうどん・ほうとう文化で、味付けに味噌を使うことが多いようです。長時間火にかけることが多いからか、煮込んだあとにしっかり旨みが残るほんのり甘い味噌です。
http://www.hakkaisoba.com/order.html
かくいう自分は、子どもの頃から家で味噌汁を飲む習慣がないまま育ちました。味噌汁を飲むとそのぶんお腹が膨れてしまい、おかずとご飯をお腹いっぱい食べたい気持ちに水が差されるように感じていたのだと思います。
そういう点では40歳をこえても味噌汁になじみが薄く、「理想の味噌汁」をまだまだ模索する毎日です。