会心の鉢合わせ
【近況】
年内の営業は29日で終え、新年は5日から営業します。静かな一年でしたが、それでも新たなお客さんとの出会いがいくつもあった良い一年でした。
少しだけですが、今年好評だった季節がわりのメニューを忘れないようにおさらいしてみました。
・たこと夏野菜の土鍋ごはん
夏らしいさっぱりした土鍋ごはんを出そうと考えたご飯です。夏のタコを仕込んで炊き上げたご飯のほっこり感に爽やかさを加えるために、刻んだオクラや茗荷など夏野菜をわさび醤油で和えたものをあしらいました。
・いちじくの胡麻クリームがけ
秋に出回るいちじくをおいしく食べるレシピを探していて見つけました。過去の投稿でも紹介しましたが、練り胡麻のクリームが大変相性が良かったのが印象的でした。
・四方竹の天ぷら
毎年短期間しか出回らないという、細長い秋のたけのこ「四方竹」との出会いがあって入れたメニューでした。春のたけのこと違った爽やかな風味とパリパリした歯ごたえがおいしい一品でした。
・ごま豆腐
本来なら葛粉で作るごま豆腐ですが、作る手間と葛粉が高価なので長らく作るのを敬遠していました。
春ごろは緊急事態宣言の期間で時間を持て余していたので、他の澱粉をいろいろ試してみたところ、葛粉を使わずに舌触りのなめらかなごま豆腐ができました。
・ハムカツコロッケ
昔行った居酒屋で食べたことがあり、いつかアレンジしたいと思って形にしたメニューです。引き続きアレンジを加えていきたい一品です。
今年は来客の波が小さかったので、使い切れるかどうかでメニューから外した食材も多かったのが残念でしたが、そのぶん知恵を絞ることが多く良い勉強になったと思います。
【おすすめレシピ本】
風味の事典/ニキ・セグニット 楽工社
ただしくはレシピ本ではないのですが、比較的高価なだけあって大変ためになる一冊です。
野菜や果物、肉、魚、チーズ、ハーブやスパイスなどの食材が、べつのどの食材と相性がよいかをまとめた事典です。
西洋料理とエスニック系が中心で、組み合わせごとにコメントが添えられていてイメージしやすく読んでいるだけで面白い本です。
いろんな活用法があると思われますが、特にオーソドックスなレシピを応用するときに重宝しています。
たとえばいつも作っている「豚のしょうが焼き」を、「豚」と「しょうが」に分け、それぞれの項目から相性のよい食材を検索するという具合です。
豚と相性がいい野菜やスパイスを調べていつものしょうが焼きのたれに加えてみたり、逆にしょうがと相性のいい他の肉や魚を見つけて、豚と置き換えて〇〇のしょうが焼きという新しいメニューが一品を作ったりできます。
日本には醤油、みそ、ダシの文化があってさらにはめんつゆのような万能アイテムもあるので、だいたいのものはそれらでおいしく食べられます。
しかし、世界で伝統的に食べ続けられてきた食材の組み合わせを知ると驚きと納得があるもので、たまには知らない組み合わせを試してシンプルな味付けだけで食べると刺激があって楽しいと思います。