炊い処ぽんたんのブログ

大阪・肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

コメのいいなり

【近況】

よく、おかずがなくてもご飯だけでおいしい、という表現がありますが、ひと口ふた口はよくても結局おかずは絶対いるだろうと思っています。

ただ、年に一時期にとれたての新米が届く今の時期は少し気持ちがわかる気はします。

 

先週から新米が届いたので、週末ごろから切り替わりました。

夏頃まで届いた米と新米をくらべると、やはり歯ごたえが心地よく、香りがよく、甘みがあって、食べている間ずっと噛むのが楽しい、飲み込むのが楽しい、となってきます。新米を食べると改めて、味というのは食材をただ舌に乗せただけでわかるものではないと実感します。

 

米といえば日本酒も深いかかわりがあります。

米の収穫に続くかたちで日本酒の仕込みが始まり、年末ごろから新酒が出回ります。つまり、米がとれたてなのに対し今の時期に出回る日本酒は、1年熟成されたものとなります。特に秋口に蔵が出荷する銘柄にはそのことを指すための「ひやおろし」「秋上がり」と添えられたりしています。銘柄にもよりますが熟成されているぶん、香りや口当たりに複雑さがあります。

 

これが、秋の食材に合わせると抜群に楽しみが増します。秋にはキノコや根菜類が増えたり、気温が下がって魚も脂の乗りがよくなるので旨みが強くなります。したがって、秋のお酒がもつ強めの味わいと食材の力強さのバランスがよいのです。

 

なんせ秋はこの有様なので、昼も夜も食べ過ぎてしまうのはやむなき事かと思います。

 

【ぽんたんのレシピ紹介】

手羽先、昆布からの出汁だけで仕上げるやさしい雑炊です。

 

とり雑炊

 だし

手羽先 10本

・昆布 20g

・水 2リットル

 

 具

・白菜

・しいたけ

・青ネギ(刻んで水にさらす)

・卵

 

・ごはん 1合

・塩

・薄口醤油

 

 好みで

・わかめ

・しょうが

・ごま油

 

手羽先は塩をまぶしてこすり、水洗いする

※鶏肉の臭みを取るため

②水、昆布、水気を取った手羽先を鍋に入れ沸騰させる

③沸騰したら火を弱め、あくをとりながら弱火で30分しずかに沸騰させて煮詰める

④③をざるでこし、手羽先は骨を取ってほぐしておく

⑤白菜の芯は1センチの短冊、葉はやや大きめのざく切り、しいたけは2-3ミリ程度の薄切りにしておく

⑥④でこした出汁1リットルに白菜の芯を入れて煮立て、つづけてしいたけと白菜の葉を入れる

⑦塩、薄口醤油で味付けし、ご飯1合を入れて好みの固さまで煮る

⑧溶き卵を入れて半熟に仕上げて器に盛り、刻みネギを散らす

 

・シンプルな出汁なので、手羽先をしっかり塩でこすって臭みを取ります

・薄めに味付けして、ポン酢を入れるのもいいですし、ごま油とわかめ、しょうがを入れるとより温まる味わいになると思います