噛めば春そこに
【近況】
近ごろ野菜を扱う機会を意識して増やしています。ランチの副菜として、夜の先付メニューとして種類を増やしていく予定です。
あまり珍しいものはなく、かぼちゃ・小松菜・ブロッコリーなど身近な野菜ばかりですが、改めて向き合ってみると、今まであまり野菜そのものの味を気にせず味付けしていたことに気付きました。
これまでは、炒め物にせよ、おひたしにせよ、煮物にせよ、味が物足りなかったら調味料やだしをどんどん足して重ねていけばよいと考えていたのですが、最近は年齢的な好みの変化のせいなのか、あまり重なった味付けだとくどく感じることが増えたように思います。
より少ない味付けで、野菜自体の香りや歯ごたえだけでなく、苦みやえぐみもほどよく残し、食べたあとに口の中にちゃんと野菜の足あとが付くような仕上がりをイメージするようになりました。
以前このブログにも書いた、土井善晴さんの著書に目を通したことも大きく影響したように思います。
さっき少ない味付けで、と書きましたが、薄味が良いという意味ではなく、塩分はそれなりにきかせる必要はあると思っています。
苦みやクセの強い野菜は口の中に匂いや味が残るのが気になるわけで、それらをうまい具合に唾液が洗い流してくれると、風味だけが舌の上に残ります。塩味はそのための大事な役割を果たすように思います。