皿上の謎解き
【近況】
メニューを考えていて最も頭をつかうのは、一皿あたりの量と価格のバランスです。お客さんが価格と見比べて期待度に沿った量と盛り付けになっているかどうかを考える時間は、味を決める時間よりも頭を使っていると思います。メニューが30種類あったら、30皿それぞれに合った一皿あたりの量と価格のバランスを考えるイメージです。
特に難しいのは肉料理でしょうか。これまでステーキやポークジンジャー、ローストビーフ等々ありましたが、納得の盛り付けにすぐたどり着くことはありませんでした。ちょっとでもいい肉はシンプルに原価がかかりますし、メインに選ばれるメニューほど期待度と価格のバランスが途端に難しくなる気がします。
価格に対して量が多いと、得した気にはなりますがそれが必ず喜ばれるかというとそんなことはないと思っています。狙ってインパクトを出したいときや店のコンセプトに合っていれば別ですが、過剰な量は食べる方も値打ちを感じにくくなると思っています。塩辛やタコわさびみたいな味が濃い珍味も適量というものを考えさせられます。
もちろん、ぱっと見で少ないと思われる量は論外です。チェーン系の居酒屋であまりにちゃちな量の一品を見かけたりすると、これは原価ありきで量を決めたな、と冷めた目で見てしまうときがあります。
ちょうどよいか少し物足りないくらいに落ち着く量を考えるのがよいと思っていますが、なかなか簡単ではありません。
悩んだぶん、カチッとうまくバランスが取れたと感じる時はとても気持ちが良いものです。そういうメニューは作るこちらとしても気が入りますので長い支持をもらえているようにも感じます。
【ぽんたんのレシピ紹介】
いつも寄る八百屋さんで、大葉(しその葉)を1束(10枚)買うところが、手違いで10束100枚入れられていたことがありました。
翌日が水曜日で市場が休みだったので返品するにもできず、鮮度も悪くなるので何かに加工して使おうと思い、使い道をネットで調べていて見つけたのがエゴマの葉のキムチのレシピでした。
エゴマの葉はキムチの材料としてポピュラーですので、形と風味が近い大葉に転用した次第です。
大葉 30枚
おろしにんにく 小さじ2
炒り白ごま 大さじ3
粉唐辛子(韓国産) 大さじ1
しょうゆ 大さじ5強
コチュジャン 大さじ1
みりん 大さじ1
ごま油 大さじ3
①おろしにんにく以下の材料をすべてボウルに合わせてよく混ぜる
②大葉を一枚ずつ①のたれに浸し、タッパー等に重ねる
③重ね終わった大葉に残ったたれを注いで浸し、一晩寝かせる
白いごはんが進みすぎる辛旨いキムチです。鯛やヒラメのような白身魚の刺身をくるんで食べるのもよいと思います。
このレシピはコチュジャンが味の決め手になると思われます。鶴橋駅近くの丸金商店という店で買える手作りコチュジャンが大変おいしく気に入っています(原材料表示など貼られていなくて怪しめですが)。店まで取りに来てくれる方なら代わりに買ってきますので気軽にお尋ねください。