意志の上にも三年
【スマホの写真から】
オープン以来ずっと使っている削り節です。
鰹節だけでなくサバなどの削り節が配合されていて、力のある旨みがあって昆布との相性がよいのが特徴です。毎日削りたてが店頭にならんでいるので、買ったその日のうちにだしを取ると旨みは格別です。
かつて、削りたての鰹節で取るだしが何よりおいしいと知り、削る前の鰹節と専用の削り器を買ったことがありました。しかし、専用の削り器をもってしても、硬い鰹節は容易に削ることができず、鰹節屋さんからアドバイスをもらってもなお薄く削ることができなかったため、諦めてそれから大人しく削ったあとの鰹節を買うようになったことを覚えています。
23時ごろの大阪は難波、千日前周辺です。観光のメッカである道頓堀からつづくこの通りも、もちろん道頓堀そのものも、とっくに緊急事態宣言も解除され年末に向かう時期にもかかわらず実に閑散とした様子です。
このあたりはもう何年も前、大阪に住んでいたころ休みの日の夜に1人でよく足を運んでいました。インバウンド需要が本格化するよりずっと前の時期でしたが、それでも深夜2時〜3時にもっとたくさんの人が行き交っていたものです。
そのころ遅くまで開いていた店も今では閉店時間を早めているところが多く、もはや如何わしい個室居酒屋とラーメン屋だけが深夜まで営業している様子でした。
そのうちの一軒でラーメンを食べて帰りましたが、スタッフは1人で店は満席。24時間営業で掃除する時間がないのか、床にこびりついた油汚れの匂いが立ち込め、カウンターにはなかなかの量のほこりが積もったままとなっていました。出されたラーメンを食べながら、繁華街の中心にはもうまともに(まともな?)飲食店が出せなくなる時代が近づいていると感じました。
【近況】
団体予約の問い合わせこそないものの、さすがにこの時期は年末を目前にした賑わいある飲み会を見ることが増えてきました。
10月、11月はひさしぶりの通常営業に気持ちも晴れやかさを覚えたものですが、それも落ち着き12月になって、コロナ禍前の年末のようには戻らない客足に焦りを感じている現場は少なくないだろうと思います。
食に関しては今もすでに多くの選択肢がある時代ですが、将来はさらに細かい目線(好み、体調、信条、など)にもとづいた「自分に合った食事を簡単に選べる」時代になっていくものと思われます。
業界が盛り上げようとする流行も入れ替わり生まれ続けるでしょうが、それらに左右されず自信を持って一つのことを繰り返すことが個人店の生き残り方の一つだと感じるこの頃です。