口は大きく心は広く
【近況】
当店は職場の仲間どうしで利用してくれるお客さん方がほとんどですが、メリハリの効いた余裕のある飲み方をしてくださる方々が多く、店としてありがたいと同時に社会人として尊敬の気持ちが湧きます。
お酒をグイグイ飲んで料理もきれいに食べ終えて、話題も尽きることなく盛り上がって最後はスパッと切り上げる、そんなお客さんが帰ったあとは店に縁起の良い空気が流れているとさえ感じます。
迎える側の自分もまた、その姿勢に応えられるような仕事の手際や受け答えを身につけて磨いていきたいと強く思います。そしてそういった振る舞いは、なんとなく仕事以外の過ごし方からも大きくもたらされるような気がしている今日この頃です。
【食のニュースを読んで】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211206/amp/k10013367471000.html
目にすることが増えてきた外食における食物アレルギー問題です。
飲食店にとってアレルギー対応が難しい理由の大きな一つは、やはり意図しない混入が避けられないというところだと感じています。
注文を受けてから調理して提供する一般的な飲食店では、ボウルや鍋、菜箸など調理器具はほとんどのメニューで共有します。「このボウルは卵を溶く専用」といった使い分けはしません。しかし、重いアレルギーを持つ人は、それらをきれいに洗って使いまわしたとしてもわずかに残ったアレルギー物質に反応することがあるといいます。
では専用のボウルや鍋を使い分ければよいかというと経済的にもスペース的にもそんなに備品が揃えられる店ばかりではありません。
またスピード感を持って作業をすれば、食材や調味料が思いもかけないところに飛び散ることもありますから、徹底するなら調理する空間も分ける必要があります。
現実的には店側が全責任をもつことはできないという点で、重いアレルギーを心配する人にのみ特別に持ち込みを認めているケースもあります。
https://www.hoshinoresorts.com/allergy/
ただアレルギーを持つ人が外食の楽しみを奪われるのが当たり前とは思いません。今後、社会的な役割としてチェーンレストランや一部の事業者がアレルギー対策を強めた飲食店を拡大していくことも必要だと感じます。
記事の最後に「世の中全体がアレルギーがある人もいて普通だと思える社会になってほしい」という一文があるのですが、同じく「アレルギー対応が徹底できない店もあって普通だと思える社会」でもあってほしいと願います。