足あとは絵を成すか
【近況】
7月末あたりから夜の時間帯を予約のみ受付としていた肥後橋の店をそろそろ通常営業に戻すのですが、再開にあたって仕組みをいろいろ改めるべく準備をしています。
開店当初からメニューは大きく変わりませんが、値段や一皿の量や盛り付けやと細かいことは数えきれないくらいちょこちょこと変えています。細かいところで飽きっぽさのある自分の性格がこういうところに出てしまっています。
ですが今回は、注文をセルフ化するというこれまでにしてはやや大きめの変更をすることになりました。
セルフ化といっても、端末やアプリでセルフオーダーする最先端のツールで始めるセルフ化ではなく、注文があれば私自身のいる厨房まで言いに来てもらう(もしくはメモに書いてわたしてもらう)という原始的なセルフ化です。
当店は構造的に厨房と客席が比較的くっきり分かれている店で、オープンタイプのカウンターの店に比べるとお客さんはゆったり過ごせますが、こちらとしてはなかなかダイレクトなやりとりがしにくいことがずっと気になっていました。
開店以来、とかくそのデメリットを埋めるような工夫を考えて、あれやこれやと腐心してきたのですが、ここ数ヶ月は無理にマイナスを埋めるのでなく使い方を根本的に変えてしまおうと考えることが増えました。
その正解が今回のセルフ化なのかはまだわかりません。ただ、フルサービスをやめてお客さんに手間を一部負ってもらうことで、こちらは仕込みや片付けなど作業を短縮できるので、そのぶんメニューの幅を広げられるなどいろんな展開を見込めるので、まずはこの方法かなと感じています。手間を負ってもらうぶん、お客さんへのちょっとした還元も考えています。
今年もまた、手探りに次ぐ手探りの日々が続きそうです。