アラフォーの知恵熱
【近況】
今まで営業してなかった土曜日の昼を「カレーと唐揚げとレモンサワー専門店」として実験的に営業しています。
これまでは金曜日の夜は団体客をお迎えすることや遅くまでお客さんがいらっしゃることもあって、土曜日の昼は片付けと仕込みと雑務でつぶれるうえ、ビジネス街立地で客数が見込めないので営業していなかったのでした。
もともと、土曜日の昼の店内は有効活用したいと考えてはいました。
晴れた日は特に、ほどよい明るさがあり周辺の静かさで落ち着きもあり、軽めのお酒とつまみでダラダラしたり、カレーでも食べて食後にアイスコーヒーをちびちびしながら過ごしたら気持ちよさそうだと思っていたのです。
それが今回、コロナで減った売り上げを少しでも補いたい状況もあって、やるなら今だということで始めました。先週の土曜日で3回目の営業でした。
平日に比べれば来客の数はまだ微々たるものですが、まずは土曜日に看板が出ていることを認知してもらえるように出し続け、じっくり育てていくつもりです。
【おすすめレシピ本】
伝統をあたらしく解釈し、オリジナリティのある日本料理のレシピを、お題の食材にもとづいて数人の著名な料理人が持ち寄るという雑誌の企画が本になったものです。
カブ、なす、トマトなどポピュラーな12の食材をお題に、菊乃井、たん熊、瓢亭といった料亭の主人がそれぞれに趣向と考察を加えたレシピをぶつけ合っています。
レシピ自体は、到底真似できそうにない(食材のクオリティ、手間のかけ方、技術、経験等々)ものばかりで、さすが一流の仕事だと嘆息するほかありません。
この本のおもしろいところはレシピそのものよりも、料理人同士が持ち寄った料理を試食しながらおこなう説明と議論が対話形式でまとめられているところです。このやりとりの距離感に読み応えを感じます。
お互いそれなりの立場がある間柄だと思うのですが、遠慮しあっているような空気がなく、冗談や軽口を交えながらも一品ずつ深く考察、批評を加えていきます。
さらに、すでに専門書に固い表現でまとめられている理論も、話し言葉で書かれているぶんだけより理解しやすくすいすいと頭に入ってくるところもありがたいです。
自分はまだ日本料理の基本的な専門書をうろうろしつつ理解しているところなので詳しくありませんが、現代の日本料理がかなり科学的に分解、整理されていることもよくわかります。
見た目の印象や雰囲気で左右されることなく、味の感じ方を分析していく過程に説得力があるのは現代のプロがプロの料理を食べるからこそだと感じる一冊です。