昔の芝生は青いのか
【近況】
何気なくコンビニにならぶお弁当や麺類を眺めてみると、値上げの波の大きさを実感します。個人的な思いとしては、日本の外食や加工食品に関しては、今まで安く抑える技術を頑張りすぎていたのではと思うことがあります。
初めて外食産業向け展示会に行った時、すぐれた機能性をもった調味料や添加物が数々世の中にあることに驚きました。
その多くはざっくり分けると次のような感じでした。
・加熱しても〇〇
(硬くならない、縮まない)
・時間が経っても〇〇
(サクサク感が続く、香りが長持ち)
・誰が作っても〇〇
(仕上がりが良い、すぐにできる)
等等
調理ロスを抑えて、最小人数、最短時間で最大限の利益を残せば、宣伝にもたくさんのお金をかけられます。そういう工夫のおかげで外食や加工食品は、日本全国の街角で、安く、おいしく、見栄え良く、流行に合わせた展開をこれまで続けてこれたのかもしれませんが、せっかくの良いものでさえなまじ優れた技術が生まれていくことで値段を上げるに上げられない状況を長らく我慢で続けてきていたのではという気もします。
そしてこの物価状況のままいずれ安さに手間を代替えできなくなってしまったら、安価さを売りにした外食と加工食品に頼る利点がなくなってしまいます。こういった食文化がどう変わっていくのか、自分にはまだ想像ができません。
物価が先に上がっただけで、消費者各位の収入も応じて上がっていくのでしょうか。一度値上がりした定価が値下がりするところはあまり見た覚えがありませんので心配です。