炊い処ぽんたんのブログ

大阪・肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

「そこそこ」そろそろ、底打ち感

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【近況】

移動中に食事を済ますのにマクドナルドは高い頻度で利用している店の一つです。

ここ数年、朝マックは月3〜4回、昼メニューは月1〜2回ほど、減ることも増えることもなく通っていると思います。

 

中でも基本ラインナップのハンバーガー(チーズバーガーやビッグマック、マフィンなど)とおなじみのフライドポテトは、塩加減そのものが味付けの基本なので、ふだん自分が店で多く味見している醤油や味噌といった日本食の味がしないので気持ちがリフレッシュします。

 

醤油や味噌、だしに頼らないで、塩だけで味付けを決めるのは難しいものです。醤油や味噌、酒、みりんといった発酵食品、鰹や昆布その他のだしは、旨みや甘み・香りがあるので、素材に塩気だけでなく風味を与えてくれます。多少加減がぶれてもおいしさが変わりにくく、何なら、直接つけて食べることも可能です。

 

欧米の食事の多くは塩で最後の味付けを決めます。多少の加減で味がぶれやすい部分です。風味や香りは、胡椒やハーブなどの香辛料、玉ねぎやにんにく・セロリなどの香味野菜、ワインなどのお酒、トマトやオイルなどを活用するイメージです。

いずれもそれ単体が醤油や味噌ほど強い旨みを持っているわけではないので、組み合わせや量の加減が必要です。旨みという点ではブイヨンやフォンといっただしが活躍します。アンチョビやチーズなど発酵食品ももちろんありますが、醤油と味噌ほど多用されるイメージはありません。

 

時折そうやって醤油と味噌をとおざけた食事をして気を新たにしているのですが、海外などで食べられない日がつづくとやはり恋しくなるものだと思います。和風、欧米風、エスニック、どの食文化もそこそこに国内で楽しめるのは日本のいいところでしょう。

 

しかし先日、自国の食文化に愛着のない人ほど、世界中で活躍できるという話を聞きました。日本の食事に慣れすぎた自分などは、長い海外生活で日本食が恋しくなってきたら、活躍といえるほど仕事に集中できない自信があります。

 

ただ、原料高騰などで日本国内はこれから、多様な食事をそこそこに食べられる時代ではなくなるかもしれません。これを機に、何でもそこそこ食べられる文化を過去のものにして粗食へ回帰していくのがいいのではと思います。そうすることで、新しい世代から世界中で活躍できる日本人が意外と増えるのではないでしょうか。