芯から湧き出た緑
【近況】
山菜やタケノコなど、春に食べて季節を実感するものはいろいろありますが、中でもエンドウ(関西で多くはウスイエンドウ)は個人的に抜きん出てありがたみを感じます。
いわゆるグリーンピースと同じものを指しますが、グリーンピースといえば昔オムライスや焼売やさまざまトッピングにたくさん使われていた覚えがあります。自分にとってその印象は、臭くてザラザラして苦く変な味というものでしたが、そういったものの多くは缶詰の水煮や冷凍のもので、サヤから剥きたてのエンドウは風味も食感もまるで別物です。
2,3分ほど塩茹でしてすぐのものは、プチプチとした食感とほっくりした舌触りがなんとも言えません。特有の匂いが気になって食べられない人も多いようですが、新しい豆ほどその匂いも繊細で穏やかです。この匂いと鮮やかな緑色からは、春らしい活力の漲りを感じ取ることができます。
サヤから出した豆は、さらにもう一枚薄皮につつまれています。
かなり手間ですが、これをさらに一つずつ剥き取ったものを薄味のだしに浸したり、裏漉しして和えものやコロッケにすると、そのなめらかな舌触りとほのかにクセのある風味が直に味わえます。
夏を迎えて野菜が入れ替わるのは案外早いものですから、今のうちに食べられるものは食べておきたい今日この頃です。