炊い処ぽんたんのブログ

大阪・肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

隔たっても同じ

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【近況】

通販・テイクアウト用の「穴子めしの素」ができあがりました。店では土鍋ごはんを売りにしていますが、テイクアウト用には家庭の炊飯器で炊けたほうがいいだろうということで作った「炊き込みごはんの素」の第二弾です。今年は店の土鍋ごはんより、こちらのほうが沢山食べてもらっていると思います。

 

第一弾の「鯛めしの素」が、折からの荒天で原料の鯛が手配しづらく、また旬も過ぎていたのでちょうどいいタイミングで販売できて助かりました。

 

穴子といえば身近なところで天ぷら、にぎり寿司、ちらし寿司といったところでしょうか。鰻にくらべれば身が薄く、食べ応えのわりにそこそこ値段がするので、自分で生の穴子を買ってきて調理するまではそんなに好きなものでもありませんでした。

しかし鮮度のいい穴子は臭みもなく、きめ細かい舌触りに上品な旨みが詰まっていて、今となってはその食べ応えを充分に楽しんでいます。

 

今回使う穴子は、さっと煮るだけでも煮汁に深い旨みが滲み出すのですが、この穴子めしの素は特にその味を生かすようにしました。多少なりとも家での食事に役立てたら幸いです。

 

【記憶に残った店の味】

和食麺処サガミという和食系のチェーンファミリーレストランで、生まれて初めてのアルバイトをしました。16歳のときです。

 

この頃で今でも強く記憶に残っているのが、「そば」を初めておいしいと思って食べたことです。

家で食べるそばといえばパックの茹で麺がほとんどだったので、そばには歯ごたえやコシがないのが当たり前だと思っていたものです。茹でたてを冷たく締めた生そばを初めて食べた時の歯ごたえと喉越しはずっと覚えています。

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また、ざるそばはともかく、とろろそばや鴨南蛮などはまだもっと大人が食べる物だと思っていたので、まかないでその味を知ったときは感動しましたし、今となっては好物の一つです。

 

また、このサガミはファミレス規模の店舗でもあまり加工済みの食材を使うことが少なく、店内の仕込みが多くて大変でした。しかしながら、そのおかげで味の良さにつながっている部分もあったに違いないと今となっては思います。

 

のちに外食業界で働くようになり、作業を合理化するためのいろんな加工済み食材や調味料を教えてもらい沢山使いましたが、今は結局この16歳のころの記憶をたどるように手作業を重ねて作っています。