そして記憶はつづく
【近況】
この1年は新しく始めた店もあり、これまでの人生でもひときわ「自分の顔」をいろんな人に見てもらった1年だったように思います。
そして、自分で自分の顔を知るには、人に見られることが必要だとわかった1年でありました。
今何をやりたいかという考えを整理するのに、そもそもは自分1人で考える時間を大事にするのですが、その考えを外に出すための手触りをならすには人との交わりが必要です。今年はそんな時間に恵まれて、自分がいまどういう顔をしているのかをよく知れたという印象です。
ちゃんと顔を見て知り合った相手も増えた1年でした。
先述したように、こちらの考えの反応をもらうことで歩を進める助けにさせてもらったり、お店をやっている人からは目に見える形で自分や家族が楽しむ何かや、知人友人に贈る何かを手にする機会が度々ありました。
この人の話を聞きたい、この人の店に行きたい、この人から買いたい、と思える出会いが重なったのは幸せなことだと実感し、2023年に来たるべき出会いにも、大きな期待を感じられる年越しを過ごせています。
これまで関わりつづけてくださっている皆さんに心より感謝を申し上げます。2023年もよろしくお願いします。
先日、大阪府コロナ対策チームから、おそらく府下の飲食店全体に送信したと思われる1通のメールが届きました。
飲食店が守るべき感染防止に必要な項目のほとんどを緩和・撤廃するという内容の簡素な連絡でした。
自粛と我慢の空気作りをこれまで長い時間かけて日々繰り返して飲食店のあり方を根本的に変えておきながら、こんなふんわりとした幕引きで納得できる飲食店オーナーはおそらく多くないでしょう。
個人的にあらゆる有事は、それそのものが及ぼす影響が大きくとも、その後の社会の仕組みに個人が関わりと希望を持つことができればまつわる犠牲は少なくできるはずだと思っているので、歯噛みする思いにたえない一件でした。
このメール1通がしめすような態度がこの社会を動かす仕組みに含まれているということを受け止め、より自立を目指さねばと誓う大晦日です。