炊い処ぽんたんのブログ

大阪・肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

安心安全やってる感

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【近況】

顔が見えない相手には関心や共感はわきにくいものなので、話題のように回転寿司店など広いチェーン系飲食店でのいたずらを悪びれることなくできる人間がいるのは不思議なことではないと思います。

 

そもそも口に入るものを扱う仕事なので、従業員の目が行き届かないほど広い店で多くの人の手が触れる箇所は、衛生的ではないという前提で備品配置や提供方法を講じるはずなのですが、回転寿司という仕組みが企業側にとっても消費者側にとっても魅力的だった上、コスト改善や人員不足なども手伝ってか、規模に見合わない衛生管理をなんとなく皆が認めていたのかなと思います。

 

食品衛生法について少し仕事で触れた時期があったのですが、その時に世の中のいろんな食品やそれにまつわる業種は、その品質や管理の基準が細かく決まっていることを知りました。

 

重さをきちんと計るとか、原料に〇〇を混ぜたものは認めないとか、今そんなこと当たり前では?と思うような決まりも多々あるのですが、かつてはそういう部分で誤魔化して商売をしないといけないほど混乱した時代があって、消費者がなんども不幸な事故や不正にまきこまれてきた結果に、安心して買い物や外食ができる今の近代的な衛生管理と品質管理があるのだと改めて思い知ります。そして、日本には元々のお国柄なのかそういう管理が得意な人たちがとても多かったというのもあったのではと思われます。

 

広くて清潔な飲食店を増やせるようになったのも、チェーン店という仕組みで合理的に同じメニューとオペレーションの店舗を日本各地に増やせるようになったのも、それらのおかげでしょう。

 

かつての大勢が切望してたどり着いたこの現状を、見られてさえなければと面白半分でおびやかす人間がいることは(今に始まったことではないでしょうけれど)、いまの大勢が無関心でいればまず止まることがない傾向でしょうし、手をおおきく広げてきた企業側も、その当事者を責めるかのような場当たり的なアピールではなく長く将来を見据えた仕組みに改める必要があるのではと感じる次第です。