炊い処ぽんたんのブログ

大阪・肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

余白は語りかける

【近況】

f:id:tomofumi1981:20210728180737j:image

先週は店を連休にして、岐阜県多治見市を訪問していました。

名古屋駅から山間部を越えて電車で40分ほどの多治見は、美濃焼といわれる陶磁器の産地、集積地として有名な場所です。

駅前はもちろん市内いたるところに陶器店があり、最近はコロナ禍における産業支援で市の補助を受けられるため最大4割引き、店によってはさらにそこから割引されて買い物をすることができます。

f:id:tomofumi1981:20210728181032j:image

美濃焼の魅力は普段使いの器にも豊富な色や形のバリエーションがあるところです。

代表的な仕上げとして志野、織部、黄瀬戸と呼ばれる手法があります。それぞれ灰色がかった薄いピンク、落ち着いた深い緑色、食材に馴染む控えめな黄色が印象的です。

f:id:tomofumi1981:20210728181214j:image

この地域の器作りは10世紀ごろから続く産業で、大量の器を扱う力仕事ということもあって体力を養うための鰻が名物の街でもあります。夏の暑さが日本一になる都市でもあるので、その環境も関係があるのかもしれません。

 

地元の人曰くまだ本番ではないという暑さに耐えながら、3年ぶりに陶器店めぐりをしていました。2021年の残すところは、色んな意味で原点に立ち戻って今後の生き残り方を探ることになりそうです。

 

【贈り物】

うなぎとごぼうのまぶし飯

http://www.ishikon.com/smartphone/detail.html?id=000000000072&category_code=ct6&sort=order&page=1

 

岐阜のローカルスーパーで購入した、混ぜご飯の素です。製造は名古屋の老舗メーカーのようです。

 

炊き込みご飯の素、混ぜご飯の素はおいしそうなものを見つけると買うようにしています。ご当地色が強すぎる商品は味に期待できない場合が多かったりするのですが、こちらは大変おいしくいただきました。

濃い醤油色の見た目に反して口当たりは柔らかく、甘めの味付けと鰻の相性の良さが印象に残る味わいです。山椒を合わせると一層おいしさが引き立つ一品でした。

 

炊き込みご飯のおいしさについては店で試作する時も市販のものを食べる時も、味の濃い・薄い、具が多い・少ないなど、評価の目が向く点はいろいろあるのですが、結局のところは炊き上がったご飯が喉をすいすいと通るような味わいであるかどうかに尽きると思います。

 

贅沢な具材でインパクトを出すというより、あくまでご飯をおいしく食べる工夫という点にこだわることが長く愛されるために大事なように思います。