炊い処ぽんたんのブログ

大阪・肥後橋にある「酒と料理と土鍋ごはん」炊い処ぽんたんの近況と食にまつわる雑記です

見えない顔と見える顔

【近況】

12月最後の週が終わりました。27日の金曜日は周辺の皆さんは仕事納めもあってかにぎやかでした。

当店も予約こそ1組しかありませんでしたが、まもなく満席になって数組お断りしないといけない状態でした。

 

当日足を運んでくださったのはほとんどが常連、リピーターの方でした。ふだんは皆さんが全く同じ日にお見えになることはまずありません。それが、皆さんにとっての一年締めくくりの日にこうやって迎え入れることができたというのは何物にも代えがたい嬉しさがありました。

2度目の12月、あっという間に一年が過ぎたと思っていましたが、僅かながらも積み上がったものがあったのだと感じた一日でした。

 

しかしながら、余韻にひたって年始をのんびり迎えるというわけにもなかなか行きません。1月も多少は新年会という需要があるとはいえ、12月に打ち寄せた波は影も残さず引いていくのが1月2月の常です。

来年もあらゆる点で入口をつくるべく工夫をこらして打ち出しを行い、来年はより忙しい年末にしたいものです。

 

【ぽんたんのキッチン紹介 その4】

今回キッチンそのものの話ではありません。

開店から1年と5カ月、取り組んでいないことの1つにグルメサイトでの有料販促があります。ぐるなび食べログホットペッパーなどの情報サイトに課金してよりネット検索で有利になるための取り組みです。目立たない場所に店があることもあって、いつか始めないとと思っているうちに随分経ってしまいました。

いずれも無料登録しての店舗ページ作りもできますが、そのページが検索時上位にめだつようにするには何段階かにわかれた課金が必要です。

 

いずれも日本を代表するグルメサイトですから、お金をかけたらかけただけ効果につながるわけで、お客を集めるためにやらない理由がないといえばそうなのですが、何となく違和感が拭えないためなかなか腰が上がりません。そのまま時間が経ってしまいました。個人で店をやっていて気楽なのは、腹落ちしないことはいくらでも先延ばしにできるところです。

 

店舗ページを作り込むのが面倒とか、最低でも1年縛りで課金する店側だけにリスクがある関係に納得できないとか、一方的に不透明な評価点をつけられるサイトに金を払うのが心情的に馬鹿らしいとか、どれが決め手というわけではないものの、やらない言い訳が頭に次々と巡ってくる間は距離を置いておくのが良いといまは判断しています。

そうはいっても、ほんの数ヶ月もしないうちに転向して課金サービスにすがっているかもしれませんが…

 

近年はGoogleマップ上で口コミを書き込むことが盛んなようです。当店でも、2019年の春あたりを最後に食べログの口コミは増えていませんが、Googleマップは月に1件ほどのペースで口コミが増えています。

自分自身の感覚として、口コミを書くというのは、そのお店を応援したいと思う気持ちから動くことが多いです。食べログの場合、かつて口コミに最低必要文字数の制約があったり、口コミ数が少ない人が書き込んでも評価点に影響は与えられませんと明記されていたり、場合によっては書き込んだ自分の口コミが人目にふれないほど下の方に表示されてしまったりと、勢い付いた気分が削がれがちでした。

 

いっぽうGoogleマップの場合は、書き込んだ順に口コミは表示されて、点数もわりとダイナミックに変動するイメージです。個人的には、口コミひとつ書くごとに信頼度ポイント的なものが貯まる仕組みや、「あなたの口コミが多くの人の役に立っています!」などの全体的にポジティブな高いテンションで書き込みを促す仕組み、そして「あなた方が寄せた情報で、あなた方が暮らしやすくなる・有事の際に役立てるサービスとなる」というGoogleマップの理念的なものが時折り伝わってくることに、共感しやすさをおぼえます。

また、自分が現時点で把握している限り、事業者がGoogleそのものに課金して有利を誘導できる仕組みではありません。あいだに介入して最適化を請け負う会社はあるようです。

 

人の善意を、人を介さず集める仕組みが進んでいることに、感じることの多い今日この頃です。